「おむすび通貨」「アトム通貨」etc.

国内で数百種類が出回る 地域通貨はおカネになる!?

2010.06.03 THU



写真提供/手塚プロダクション・アトム通貨実行委員会、滋賀県彦根市、サンリオ
5月から愛知県豊田市で流通が始まった「おむすび通貨」や、鉄腕アトムが誕生した地とされる東京都高田馬場で始まった「アトム通貨」など、現在、国内で数百種類は流通しているといわれる地域通貨。そもそも、「地域通貨」とフツーの通貨との違いって何? 地域通貨の研究を行う北海道大学経済学研究科の西部 忠教授に聞いてみた。

「自治体や市民グループなどがつくる、一定の地域でしか流通しない、利子のつかないお金です。営利目的ではなく、地域経済やコミュニティの活性化が目的で発行されます」

一般的に、地域通貨を手に入れるには、街の美化に協力する、イベント運営に参加するなど、その地域の様々なニーズに応えることが求められる。もらった通貨は、その地域が指定するお店などで使え、「おむすび通貨」なら、「1むすび=0.5合の玄米」に交換でき、「アトム通貨」なら、「1馬力=1円」として加盟店で使用できる。

さらに最近では、「アトム通貨」が、北海道札幌市など全国4カ所でも使えるようになったり、渋谷区の「r」が静岡県伊東温泉の「湯銭」と交換できるなど、「一定の地域」以外で使えるケースも出ている。ただ、そうなると「地域通貨」の定義がゆらぎ徐々にフツーの「通貨」に近づいていくのでは?

「いいえ。多少利用地域が増えても、地域通貨に限定性があることには変わりないですし、利用額も小額です。現段階では国の通貨に近づくほどの影響力をもつことは考えにくいですね。それよりも、生活に付加価値を生み出したり、地域同士の連携が強化されることで、それぞれの地域がより活気づくことが期待されています」

近い将来、ネット上の特定の人々に流通する地域通貨が増えると西部教授は言う。

「ネットには同じ関心、価値観のもとにつながる多数のコミュニティーがありますから、情報や知識のやりとりなどを介して地域通貨が生まれやすい土壌があるんです」

ネットでの利用が普及したら、より地域通貨が身近になりそうです。
(三浦たまみ)


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