身体にまつわる都市伝説

第6回 暗いところでの読書で視力は落ちるか?

2010.07.12 MON

身体にまつわる都市伝説


ピントを合わせる作業は毛様体筋と呼ばれる筋肉が司っている。だから腕や脚の筋肉と同様、たっぷり使ったあとには適度に休憩させてやるのがベターだ

近くの物を見る時、目は緊張している



昔からの習慣で、寝る前の読書が欠かせない。1日使った脳みそをクールダウンさせるように、寝床でマンガや小説を読みふける時間が至福なわけだが、同様の習慣を持つ人はけっこう多いのではないだろうか。

しかし、年々低下している視力のことを思えば、この至福のひとときも考えものだ。誰しも子どものころ、親から「暗いところで本を読むと目が悪くなるよ」と教わったことがあるはず。

…だけど、暗いところでの読書は、本当に視力に影響を与えるのだろうか? 念のため、医療ジャーナリストにして医学博士の森田豊先生に確認してみよう。

「暗いところで読書をすることが目に負担をかけるのは事実ですが、それが視力の低下につながるという医学的根拠は、じつはありません。まだ研究段階ですが、米ニューヨーク大学医学部の眼科専門医、ロバート・サイキエールト氏などは、明るさに関係なく本をいくら読んでも視力が低下することなどない、と断言しているほどですから」

おお、これは本好きには嬉しい情報! しかし、体感的には長時間の読書で目に疲労を感じるのは確か。目で物を見るメカニズムとは、一体どうなっているのだろう。 「目の水晶体は、毛様体筋と呼ばれる筋肉によってピントの調節を行っています。近くの物を見る(つまり近くに焦点を合わせる)際や、暗いところで行動する際には、水晶体の厚みを調整するためにこの筋肉が緊張状態になります。そのため、自然と筋肉が疲労するわけです。これがいわゆる“疲れ目”といわれる状態ですね」

森田先生によると、体質によってはこの緊張の高まりが頭痛を引き起こすこともあるそうだが、視力との相関関係は認められないという。ただし、読書もひとつの筋肉運動であることを踏まえれば、適度に休憩することは大切だろう。

「たまに遠くの風景に焦点を合わせてみたり、目を閉じたり、適度な緩急をつけて毛様体筋の緊張をほぐしてやってください」

現代ビジネスマンに付き物である長時間のパソコンワークもまた、毛様体筋の酷使につながることはいうまでもない。疲れ目との上手なお付き合いを心がけよう。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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