話題のニューストピックを追跡!

多発する山の遭難救助費用 一体いくらかかるのか

2010.08.09 MON

7月24日、秩父市の山中で滝つぼに55歳女性が落下し、死亡する事故が発生し、大々的に報じられた。その後、この女性を救助に向かった埼玉県の防災ヘリコプター「あらかわ1」が墜落し、乗組員5人が死亡。さらに、現場の取材へ向かった日本テレビの報道記者とカメラマンの合計2人も死亡。ほかにも山岳関連のブログを書いていた45歳の男性がヘリコプターの墜落現場近くで50メートルほど滑落し、ヘリコプターで病院へ搬送されたがその後死亡した。

今回の件について、ネットで大きな話題となったのは、「捜索費用」である。「ヘリコプターは1分1万円」という説や「全部で500万円はかかる」といった説など様々だが、実際はどんなものか。

たとえば、保険代理店・グラフィスが提供する山岳保険の「遭難捜索費用補償特約セット」の場合、「遭難捜索費用保険金額」は100万~200万円となっている。これは一つの目安となるかもしれない。

実際に捜索・救助をする側に聞いてみた。とある地方の警察署の山岳救助隊に所属するTさんによると「公的機関が動いた場合は、保険に入っているいないにかかわらず、救助隊が何人動いてもヘリが出ても、無料」だという。というわけで、今回の「あらかわ1」と5人の救助隊による55歳女性の救助活動費用は無料ということになる。

Tさんによると、費用が発生するのは「民間人が救助に向かった場合」ということになる。その場合は、明確な価格が存在するケースと、「その時の交渉次第」の2つのパターンがある。たとえば、公的機関のヘリコプターが救助に向かった場合でも、遭難者が岸壁に宙吊りになっているなど特殊なケースの場合は、専門の民間の救助隊に救助依頼を出す必要がある。その際の人件費は1人あたり1日2万~3万円かかるという。

また、捜索に多数の人員が必要な場合は、地元山岳会などに依頼して、1日あたり一人数万円を支払って捜索に加わってもらう。当然食費や交通費も払わなくてはならない。さらに、山小屋などに物資を運ぶ民間のヘリコプターに救助される例もあるようだが、これも当事者同士の交渉でお金を払うことが一般的のようだ。というわけで、結論としては「規模と難易度による」というところにあるだろう。

Tさんは「山登りの心構えとしては、登山者にとって一番条件の良い夏山であっても、自分の能力に合った山を選ぶことが必須。そのために、山岳会の人に聞いたり、登山ブックを読んで下調べを入念に行うこと」と注意を促す。そして、絶対に必要な持ち物として、食料、雨具、ヘッドランプ、警笛を挙げている。

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト