身体にまつわる都市伝説

第16回 信心でイワシの頭は薬になるの?

2010.09.17 FRI

身体にまつわる都市伝説


ちなみに「イワシの頭も信心から」という慣用句は、信仰心があればつまらない物でも尊く感じられる…というのが本来の意。邪気をはらうためにイワシの頭を飾った風習に由来しているとか 写真提供/PIXTA

医学も認めるプラシーボ効果



「病は気から」といわれるように、精神的な要因が健康面に与える影響は大きい。また、少しニュアンスは異なるが、「イワシの頭も信心から」という慣用句も有名だ。ひょっとすると、薬だと信じて飲めば、たとえそれがイワシの頭であろうと人の健康状態を左右することもあるのではないか?

実際のところ、人間の“信心”はどこまで健康に影響を与えるのだろう。医学博士の松島英介先生に聞いてみた。

「いわゆるプラシーボ効果(※薬理作用を持たないはずのものが一定の効果を生むこと)は、現実的にあります。たとえばひとつの薬を商品化する際には、必ず事前に実薬と偽薬の両方を試用して効果を比較する試験を行いますが、これは偽薬にも一定の効果が認められるケースがあるためなんです」

偽薬のプラシーボ効果を明確に上回る効果が認められなければ、薬は実用化されないのだという。この試験は、被験者はもちろん、処方する医師すら実薬と偽薬の見分けが付かない状態で行われる、非常に厳格なものらしい。

「暗示ですから絶対的なものではありませんし、個人差もあります。場合によっては逆に、実薬であっても疑いながら服用することで効果が薄れてしまうケースだってあるかもしれません」 そういえば、体に浸透しやすいスポーツドリンクで薬を服用すると効果が強まる、というウワサを聞いたことがある。筆者はこれをマメに実践しており、ある程度の効果を実感してきたのだが…。

「医学的にはそういう事実はありませんから、それもプラシーボ効果でしょうね。基本的に薬の効果は水で飲んでもジュースで飲んでも、変わりありません」

う~ん。先生の言葉によって、長年の暗示が解けてしまった。今後はスポーツドリンクの恩恵が半減するかと思うと、プラシーボ効果も使いようなのかも。

ちなみに松島先生によれば、全般性不安障害と呼ばれる、何事に対しても不安を抱いてしまう症例などでは、薬そのものへの疑いが強いため、症状を改善させるのに難儀するケースが珍しくないという。

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