解決! ネットトラブル対策室

第5回 中傷書き込みって、削除してくれるの!?

2010.09.27 MON

解決! ネットトラブル対策室


匿名掲示板でのトラブルは、当事者間での解決がほぼ不可能なため、掲示版の管理者やプロバイダが関係者の利益を尊重し、適切な対応をとることが求められています

ネットの掲示板で誹謗中傷されたとき、どうやったら削除してもらえるの!?



ネットの匿名掲示板で誹謗中傷されたとき、被害者としてはプロバイダや掲示板の管理者に書き込みの削除や発信者=加害者の特定を要請したい。けれど、そうすると管理者側が、加害者から「表現の自由」やプライバシーを侵害したとして損害賠償を請求されるおそれも…

そんなジレンマを解消すべく制定されたのが、プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)です。弁護士ドットコム・山本尚宏さんによれば、この法律の趣旨は管理者の法的責任を軽減することにあり、管理者は、

・他人の権利が侵害されていると信じるに足る相当の理由があったとき
・削除要求があったことを発信者に通知し、7日以内に発信者が異議を唱えなかったとき

には、書き込みを削除しても損害賠償責任を負わないのだとか。ここで「相当の理由」というあいまいな表現が出てきますが、具体的にはどんな書き込みなんでしょう?

「現状では、住所や電話番号など個人情報にかかわるものと解釈されています。逆にいえば、それ以外の中傷書き込みについては、管理者は権利侵害の有無を判断できないんです」 また、発信者が7日以内に異議を唱えた場合も、管理者は書き込みの削除を強行できません。こうした場合、被害者は、管理者が権利の侵害を「知っていた」か「知ることができた」(故意か過失があった)にもかかわらず書き込みを放置していたことを裁判で証明し、管理者の不法行為責任を問う方向で責めるしかないそうです。

では、「発信者情報の開示」についてはどうかというと、被害者は、

・自分の権利が侵害されたことが明らかであるとき
・損害賠償請求のために必要である場合など正当な理由があるとき

には、加害者の氏名や住所、メールアドレスなどを知らせるよう管理者に求めることができるそうです。ただ、情報開示には原則として発信者の同意も必要で、もし発信者がこれを拒めば、被害者は裁判所に対して「権利の侵害が明らか」であることを証明し、開示命令を出してもらわなければならないのだとか。

プロバイダ責任制限法により、書き込みの削除や情報開示について一定の指針は与えられたものの、込み入った問題に関しては裁判所の判断待ち、というわけです。被害者からすればもどかしい限りですが、裏を返せば、それだけ「表現の自由」やプライバシーは慎重に扱われているともいえますね。 ネットのトラブルについて、知りたいこと、気になることがありましたら、右下の投稿ボタンから投稿して下さい。

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