知られざるあの仕事の報酬

第1回 戦場カメラマンの報酬は?

2011.02.21 MON

知られざるあの仕事の報酬


1988年5月。中米ニカラグアのジャングル戦。サンディニスタ解放戦線と(中央のメガネをかけている人物が加藤氏) 写真提供/加藤健二郎

短期高収入~戦場でのお仕事です



バラエティ番組で人気が出た方がいることで、耳にする機会が増えた「戦場カメラマン」というお仕事。危険が付きまとうイメージだけど、その報酬は一体どうなっているのか? 『戦場のハローワーク』などの著書があり、自ら戦場カメラマンの経験を持つ加藤健二郎氏に、仕事の実態や報酬にまつわるいろいろな質問をしてみたい! まずは戦場カメラマンが報酬を受け取るまでの流れから。

「代表的な例を。1つには、依頼を受けずにフリーの立場で戦場へ出て、撮った写真を採用してくれる雑誌や報道局などに売るパターン。同時に複数に売り込めるメリットがありますが、経費は自分持ちです。次に、雑誌の企画として戦地へ行くケース。経費は定額までは負担してくれますが赤字になるおそれも。3つ目は雑誌などの専属契約で、経費を全額出してもらえるうえ、原稿料も貰えるパターン。これが金額的には一番ですが、イラク戦争のような注目度の高い戦争か、カメラマン自身が高い評価を受けている時に限られます。また、会社員契約の場合は、月給制で成果報酬がなく、撮った写真の版権が会社のものになります」

働き方はいろいろですね。ではたとえば1つ目のケース、雑誌に売り込んだ場合の報酬は?

「各媒体のページ単価や写真単価で報酬が支払われます。たとえばページ単価が5万円として、4ページ20万円とか」

なるほど。では、年収ベースだといかほど?

「自分のケースですと、駆け出しの2年間は年収で40万~50万円、その後1年ごとに約50万円ずつアップし、8年目くらいから年収400万円前後で数年間。イラク戦争が始まると仕事が増えて、多い年では700万円を超えました」
1989年3月。中米エルサルバドル内戦。都市ゲリラ・テロ部隊のバスジャック作戦 写真提供/加藤健二郎
時には危険な目に遭う戦場カメラマン、収入には見合っているのでしょうか。

「キッチリと取材仕事を完了できれば、見合っていると思います。取材期間は短い時もあるし、海外に赴く機会は多くても年に数回なので、実質的な労働時間は短め。その割に、過去の写真が何年か経たのちに売れたり、それらをまとめた写真集などを出せたりする、年金恩給のような側面も。実際、私は2003年に戦場取材をやめていますが、2010年になっても過去の写真を素材にした出版が実現していますよ」

そんな戦場カメラマンの仕事を、ざっくりと時給計算してみると約1700円と、案外効率の良い仕事かも。現在、日本人で現役の戦場カメラマンは、20~30人程度と多くはないそうなので、気になる人はトライすれば、頭角を現せるかも!? 関連書籍『戦場のハローワーク』加藤健二郎著/講談社文庫/730円(税込)

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