知られざるあの仕事の報酬

第2回 初生雛(ひよこ)鑑別師の報酬は?

2011.02.28 MON

知られざるあの仕事の報酬


手のひらにちょこんと乗ったひよこ。素人目にはオス、メスの区別はさっぱりつかず、ただただかわいくみえますね 画像提供/PG1104NA/pixta

1日1万羽のひよこと触れ合う仕事です



私たちが日々食べている鶏肉や卵。手ごろな価格で購入できる背景には、瞬時にひよこの性別を見分けていく仕事の貢献があるという。一般には「ひよこ鑑定士」といわれがちなこのお仕事だが、正しい名前は「初生雛(しょせいびな)鑑別師」。より詳しい実態が知りたくなったので、自ら初生雛鑑別師として約30年活躍した経験のある、畜産技術協会の野寺厚氏に、詳しい仕事の内容や、その報酬について聞いてみた。まず、初生雛鑑別師とは、どんな職業なのでしょう?

「卵からかえりたてのひよこのオス、メスを見分ける技術を持っているのが初生雛鑑別師。早い段階で仕分けることで、卵を採るためのメス、鶏肉用でも用途にフィットしたオスとメスという具合に、目的に合わせた育て方ができ、エサ代などコストメリットが生まれるので、こういった技術者が必要なのです」

ひよこを鑑別する仕事って、1日に何羽くらい見るのでしょう?

「1日に8000~1万羽を鑑別します。求められる精度は99.8%以上とかなりシビア。ミスが許されるのは1万羽なら10羽程度まで。しかも、1時間で約1000羽を鑑別するという、スピードも求められます。ひなのおしりにある生殖突起で性別を見分けるのですが、判断パターンが約2000種もあるため、それを覚えるだけでも一苦労。経験を積んで、数をこなすしかありません」

それだけ厳しい要求をされる初生雛鑑別師、報酬はどのくらい? 「鑑別羽数×単価=鑑別収入という、完全に出来高制ですね。本人のスキルや発注元によって単価は変わりますが、一般的な目安では1羽あたり4.2円程度。1日8時間労働が基本ですが、卵の出荷調整などと連動して仕事が発生するので、多いときでも週に4日勤務と、労働日数は少なめ。結果、年収では約500万円程度ですかね。多い例では、ヨーロッパで5万5000ユーロの年収がある人がいますので、日本円だと約615万円くらいです」

ということは1時間に1000羽鑑別したときの時給は4200円! それだけの報酬だと、初生雛鑑別師になりたい、と思う人も多そうですが?

「毎年、約10人が資格取得を目指して試験を受けますが、合格するのは2、3人と狭き門です。また、現在、日本には110名、海外で約70名の日本人の初生雛鑑別師が働いており、数としての需要はそれほど多くはないです。適性としては、実直で、ひたむきな性格の人がいいのでは」

調べてみると、受験資格は25歳以下だそう。R25世代ではギリギリのラインで該当する25歳の人、労働日数が少なく高時給なこの仕事に挑戦してみては?  

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