身体にまつわる都市伝説

第42回 あくびは本当にうつるの?

2011.04.11 MON

身体にまつわる都市伝説


ちなみにあくびは眠気の抑制や覚醒を促すために起こるものだが、満腹時だけでなく空腹時にも出やすい。これは空腹になると低血糖になるためだとか

医師も認めるあくびが「うつる」感覚だが…



春の陽気に誘われ、昼下がりともなれば「ふわぁ…」とあくびが飛び出しがちな今日このごろ。

あくびといえば気になるのが、「なぜ他人へうつるのか?」ということ。オフィスでうっかりあくびをしたら、隣の同僚も続けて「ふわぁ…」とやり、思わず苦笑いをした経験がきっと皆さんにもおありだろう。

この長年の疑問について、池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。そもそも、あくびは本当に“伝染”しているのか?

「個人的な経験としてはうつるようにも感じますが、科学的に考えると、やはりそれはあり得ないと思います」

須田先生も、さも伝染しているかのように錯覚することは多々あるそうだが、あくびを生理学的でひもといていくと、別の説明が成り立つという。

「あくびがうつる状況というのは、複数の人々で同じ環境を共有しているケースが多いと思います。あくびは睡眠不足、疲労、満腹の際に、脳の奥にある視床下部という部位からの指令で起こるもの。たとえば職場の同僚であれば、だいたい似たような時間帯にランチを済ませ、満腹感を覚えるタイミングも近くなりますよね? つまり、同条件を共有しているから、同じタイミングであくびが出やすいのだと考えられます」 確かに長時間の会議など、複数の人が「だるいなあ…」と感じる場ではあくびの伝染が起こりやすい気はする。日ごろからお疲れ気味な社会人が集まって、同じタイミングで腹を満たせば、自ずとあくびをしたくなるタイミングも重なるということか。

「目で見た情報を認識するというのは、脳にとって意外と高度なアクションですから、反射であくびを連鎖させるのは決して簡単なことではないんです。もしも、そういった反射であくびが連鎖するとしたら、環境や状況に関わらず、もっと短いタイムラグで、より多くの人に伝播しなければおかしいでしょう」

たとえば10人で会議を行っている最中、2人があくびをすると、「うつった!」とつい大袈裟にはやしたてたくなるが、「10人中2人なら、割合としては決して高くありません」(須田先生)という言葉には納得せざるを得ない。

伝染するものではない以上、あくびが出るのは自身のコンディショニングの問題。十分な睡眠の確保など、きちんと自己管理を心がけよう。 あなたが知っている体や健康にまつわる噂や風説は? 下のボタンから投稿ください。

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