知られざるあの仕事の報酬

第8回 映画でもおなじみの潜水士の手当は?

2011.04.25 MON

知られざるあの仕事の報酬


転覆した船で潜水作業を行う、海上保安庁の潜水士。潜水の深さは40mまでと決められている 写真提供:海上保安庁

潜る深さに手当が比例~人の命を救う仕事です



映画化もされたマンガ『海猿』のヒットで有名になった、海上保安庁の潜水士。危険な仕事だけに給与も高そう、なんて単純に考えてしまうけど、実際はどうなんだろう? 海上保安庁広報室の高橋大亮さんに、仕事内容と給与について話を聞いてみた。

「海上保安庁では潜水士を救難のスペシャリストと位置付けています。仕事内容は、転覆した船や沈没した車など、水面下で人命を救助するのが主務。そのほかにも、例えば船舶同士の衝突事故で、損傷の具合を実況検分する調査なども担います。潜水士のなかにはさらに専門分野として、ヘリコプターから降下して遭難者を吊り上げ救助するのが主な機動救難士と、転覆船や火災を起こした危険物積載船などでの人命救助や火災消火など特別なケースに対応する特殊救難隊というセクションもあります」

通常、海上保安庁の潜水士は巡視船に乗り組み、24時間態勢でパトロールにあたるのが任務。1日8時間労働と規定されており、船上は3グループの当直制で、4時間働いて8時間休憩するというローテーションを繰り返しているという。

「基本は当直制で、小型船で日帰りから3日程度、中型船で約5日間、大型船で約2週間、船上で任務に従事。休暇は陸上に戻った際に取り、4週間のうち8日間の割合と定められています。パトロール中に海難事故が発生した場合は巡視船の乗組員全員で対処します」 海の上で24時間態勢、水中での作業が中心とかなりハードな仕事内容。そんな潜水士の給与はどのぐらい?

「海上保安庁の潜水士は国家公務員なので、給与は『一般職の職員の給与に関する法律』で規定されています。ただし潜水士の場合、水中での作業には手当が付くことが、国家公務員の人事管理などを行う中央人事行政機関の人事院の規則により決められています。金額は1時間あたり、20mまでは310円、30mまでは780円、30m超は1500円。モデルケースを挙げると、潜水士を含め、25歳独身で大型巡視船に乗り組む海上保安官なら、月収は約24万円になり、そのほか、役職に応じた手当などが支給されます」

1日8時間労働で単純計算すると、時給は約1500円。危険な仕事であることを考えると、決して高くはない。

「人の命を助けたいという強い思いで仕事を選んだ人ばかり。救助時の達成感が職務を継続する原動力です」

東日本大震災では、海上保安庁は360人以上を救助し、潜水士は救助活動で中心的な役割を果たした。彼らの仕事を、心から応援したい。  

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