身体にまつわる都市伝説 第55回

みかんを食べると本当に肌が黄色くなるの?

2011.07.11 MON

身体にまつわる都市伝説


須田先生によれば、本文の説とは別に「汗に分泌されたカロチノイドが、皮膚に染みこんで黄色くさせるという説もある」そうだが、いずれにしても健康上の害はなさそう。ホッとひと安心!? 写真提供/PIXTA
香水でも飲料でも、柑橘系の香りがスカっと気持ちいいこのシーズン。みかんやオレンジといった柑橘類が大好物な筆者にとっては、それだけでテンションは倍増である。

ところで、こうした柑橘類というのは、食べ過ぎると皮膚が黄色くなると昔からよく耳にする。みかんを1つ、2つとたいらげていて、気がつくと手のひらがほんのり黄色がかっているように感じたこと、誰しもあるのでは?

しかしこれ、医学的に起こり得ることなのだろうか。池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「みかんを食べ過ぎて皮膚が黄色くなる現象は、実は医学的に認められています。柑橘類の黄色を構成するカロチノイドという成分が、血液中で濃度を高めることによって、手のひらや足の裏、鼻の下の溝の部分などに、色素沈着を起こすんです。これを『柑皮症』といいます」

なんと、この現象には病名まで付いていた! 須田先生によれば、柑橘類の他にも、にんじんやトマト、さつまいも、海苔などでも起こり得る症状なのだそうで、とりわけ無理な食事制限を伴うダイエット中などに発症しやすいという。

「ただ、病名があるからといって健康面で有害かというと、そうでもないんです。医学書を紐解いてみても、皮膚が黄色くなる以上の症状には言及されていません。カロチノイドは本来、健康にいい栄養素ですしね。強いていえば、肝炎など肝臓に障害があったり、糖尿病を患っていたりすると、カロチノイドの代謝がおかしくなり、柑皮症を起こしやすくなることはあるかもしれないので、変調のサインとして受け取ることもできるかもしれませんが…」

筆者はこの都市伝説についててっきり、みかんの表層の色、あるいは果汁が手にべっとりくっついて起きる現象と思っていたが、これは誤解だったようだ。

みかんを食べていて手のひらが黄色くなったように感じたら、試しに足の裏もチェックしてみるといいだろう。同じように黄色がかっていたら、それはやっぱり柑皮症なのだ。
(友清 哲)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト