苦痛の大きさより「経済力」がキモ?

「慰謝料」の金額はどうやって決めるの?

2011.08.04 THU


慰謝料は請求される側の経済状態で大きく左右される。たとえば離婚の慰謝料における裁判所の和解勧告でも10倍程度の開きが出ることも
イラスト/マツモトカズトク
原発事故で避難生活を強いられている人たちの精神的苦痛に対し、原子力損害賠償紛争審査会が慰謝料の基準を発表。それによると、体育館などの避難所で生活している人には月額12万円、仮設住宅や親戚の家などに避難している人には月額10万円を目安に支払われるのだとか。だが、ここで気になるのは、「精神的苦痛」という目に見えないものをどうお金に換算するかということ。慰謝料はどのように決められるんだろうか? 慰謝料問題に詳しい弁護士の笹瀬健児先生に聞いてみた。

「確かに慰謝料を金銭に見積もるのは難しいですね。どのような精神的苦痛を感じるかは人によって異なるからです。ただ、個人差を考慮しすぎると、公平性に反することになります。そこで一般的には過去の判例が基準になります」

ということは、ケースによって慰謝料の相場はほとんど決まっているということ?

「あくまで基準ですから、それが絶対というわけではありません。慰謝料の算定で大きなポイントになるのは、相手の経済力です。いくら多額の請求をしても、相手がお金を持っていなければ払ってもらえません。とはいえ、最も重要なのはその出来事が被害者にとって、どれだけつらかったかということ。たとえば、離婚問題などでは、DVでどのような仕打ちを受けたか、浮気がその人にとってどれほどつらいことであったか、ということも考慮されます。しかし、現状では過去の判例と当事者の経済力に基づいて金額が決められることがほとんどですね」

あくまで大まかな相場でしかないが、たとえば不倫が原因の離婚では50万~400万円くらいの慰謝料になることが多いそう。

ほかに適切な手段がない以上、お金で補償するしかないとはいえ、「精神的苦痛」の被害者の立場に立てば、いくらもらっても“納得”はしづらいもの。なんとも難しい問題だ。
(山本祐輔/清談社)


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