知っておきたい親孝行&介護の作法 第1回

近年、需要が高まる親孝行サービスの現状とは?

2011.08.22 MON


親世代の多くは、「いくつになっても子供は子供」という意識が強く、子に何かをして欲しいとはあまり思わないんだとか。だからこそ、子自身が親に何をしてあげられるか考えることが重要なようだ 写真提供/PIXTA
男の20~30代といえば、まさしく人生の働き盛り。会社では後輩ができたり、人によっては結婚もしたりと、公私共に忙しく暮らしている人が多いはずだ。その分、「親」のことは結構おろそかになりがちではないだろうか。離れて暮らしていればなおさらだ。

『親孝行したいときに親はなし』なんて格言が頭をよぎることはあっても、行動に移すのはなかなか難しい。そもそも「親孝行」って一体何をすればいいんだろう。ネットで調べてみると、「親孝行代行」や「親孝行旅行プラン」といったサービスも色々あるようだけど、実際この手のサービスを利用する人って増えているんだろうか?

「日本が極度な高齢社会に向かっていることで、『親孝行』に対するニーズは確かに高まっています。ただ、それがビジネス的な市場として成立しているかというと、現状ではうまくいっていない部分が大きいですね」と語るのは、親孝行情報提供サイトを運営する『オヤノコトネット』の代表・大澤尚宏さん。

「そもそも親孝行は、“これをやれば喜ばれる”という形が決まっていないもの。逆に言えば、子が親を思ってする行動はすべて親孝行といえるんです。ただ、そこに企業などの第三者が介入すると、他人行儀さが混じって真心が見えづらくなってしまう。それを解消するのがなかなか難しいんですよ」

うーん、なんだか一筋縄ではいかないみたい。親のためを思ってやったことでも、喜んでもらえない場合があるんだろうか。

「親世代に直接話を聞くと、何かをしてもらうよりも、やはり『子供が元気でいてくれるのが一番うれしい』と答える方が多いんです。でも現実的には、昔のように体が動かなくなったり、いろいろな問題に直面しているケースも多い。親と子が離れて暮らすことでコミュニケーションの機会が減ってしまい、親が何を望んでいるかを察知できないのが大きな問題ですね」

何をしてあげたらいいか分からないのは、親のことをよく知らないから起きることなのかも。

「人口動態の変化で高齢者が増え、全体の年齢層があがって経済的に余裕がある子世代も多くなったことから、“親孝行をしたい”というニーズが社会的に注目されるようになってきているのは確かです。ただ、親子の情というのは昔からずっとあるものですから、一過性のブームのようなものとして捉えてしまうのは寂しいですよね」

親孝行にまつわる情報やサービスは増えているけれど、何をもって親孝行とするかは自分次第ということか。自分なりに何をしてあげられるのか、今のうちに考えはじめてもいいのかもしれない。
(呉琢磨)

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