数字で読み解く! 人生の「確率」/第1回

宝くじで「損をしない」確率は?

2011.08.22 MON


いくら期待値が低いとはいえ、毎回必ず当せん者が出ているのも、また事実。ここらへんが、宝くじの「ロマン」ってやつなんでしょうな 画像提供:sasakura_yoshimichi/PIXTA
確率が絡む日常の出来事で、もっとも夢のある部類に入るのが、宝くじの当せん確率だろう。「毎年○○人の億万長者が出ました!」なんて、テレビでは盛んにコマーシャルをしているが、自分自身はもちろん、身近に高額の当せん金を手にした人がいるという人だって、相当に少ないはずである。そもそも、宝くじを買って儲かる確率って、どれくらいのものなのだろうか?

宝くじのようなギャンブルで、どれくらいの儲けが見込めるかを調べるには「期待値」という数値を用いるのが一般的だ。計算は中学生の数学レベル。各賞の当せん金×当せん確率の合計を出せばよい。1枚200円で1億5000万枚発売された「東日本震災復興宝くじ」を例にすると、

「東日本震災復興宝くじ」
等級 当せん金 本数
1等 3000万0000円 30本
1等の前後賞 1000万0000円 60本
1等の組違い賞 10万0000円 2970本
2等 1000万0000円 150本
3等 100万0000円 1500本
4等 5万0000円 3万0000本
5等 1万0000円 15万0000本
6等 1000円 450万0000本

(30000000×(30/150000000))+(10000000×(60/150000000)+…

というように6等まで計算して出た合計が81.98円。つまり、200円で約82円の儲けが「期待できる」ことになる。比率でいうと、売価に対し40%程度。このパーセンテージは宝くじを何枚買った場合でも変わらない。投資として考えると、明らかに割に合わないものといってよいだろう。ちなみに、宝くじの期待値は、どのくじでもこれくらいの数値(40~45%)になっている。

とはいえ、これだけではあまりにも夢のない話。そこで、実際に宝くじを買う場合の参考として、同じ宝くじを1万円分(50枚)買った時に、少なくとも損はしないよう、1万円以上の当たりくじが得られる確率を計算してみよう。

文系の読者なら、当せん金1万円(5等)以上の当たりくじは18万4710枚。これを発売枚数全体の1億5000万枚で割れば、1万円以上が当たる確率が出せるように思うだろう。

しかし、この計算で導き出されるのは、50枚のうち1枚だけが1万円(5等)以上に当たる確率。2枚以上が5等以上に当たってもまったく問題はないわけだから、まず50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率を出し、それを確率全体(1)から引く、という計算をするのが正しい手順となる。

1枚が5等未満(はずれを含む)になる確率は、

(150000000-184710)÷150000000=0.9987686

買った50枚すべてが5等未満(はずれを含む)になる確率は、上記の確率の50乗となるので、

(0.9987686)^50=0.940251449

これを確率全体の1から引いた

1-0.940251449=0.059748551

つまり、約6%が「損をしない」確率ということになる。6%の可能性を「夢」とみるかどうかは、もちろんあなたの自由ですけどね。

(石井敏郎)

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