身体にまつわる都市伝説 第63回

小麦色の肌って本当に健康的なの?

2011.09.05 MON

身体にまつわる都市伝説


肌が日に焼け、メラニンが発生するのは、体が紫外線に対抗しようと頑張っている証明。「代謝が活発なうちは、作られたメラニンはどんどん入れ替わりますが、加齢とともに代謝が低下していくと、シミとして残りやすくなります」(鈴木先生) 写真提供/PIXTA
夏も終わりが近づいてきた。レジャーやスポーツで真っ黒に日焼けした肌も、そろそろ色落ちし始めるころだろうか。かくいう筆者の肌も、むけた皮がボロボロと落ち始め、否が応でも秋の到来を感じさせられる。

大人になってからの日焼けはシミの元になるというけど、一方で、よく日に焼いておくと風邪をひきにくくなるとも聞く。実際、“日に焼けた肌=健康的”というイメージは誰しも根強いだろう。

「じつはそれは間違った認識で、日焼けをすると風邪をひきやすくなるんです。昔は母子手帳に“日光浴をしましょう”という記述が見られましたが、最近の研究では逆効果であることが判明し、現在は削除されているほどです」

そう語るのは用賀ヒルサイドクリニックの鈴木稚子先生である。太陽の光には殺菌効果もあるといわれるし、日焼けが健康に悪いとは意外な指摘だ。

「太陽の光に殺菌効果があるのは事実ですが、それは1日のうちほんの数分浴びれば事足りるレベルの話であって、紫外線自体は細胞を壊す有害なものです。人は表皮の中にランゲルハンス細胞という、ばい菌やウイルスなど悪いものを体外に押し出す役割を持つ細胞を持っていますが、紫外線はこのランゲルハンス細胞にまでダメージを与えてしまうのです」

紫外線がランゲルハンス細胞を破壊することで免疫力が低下するため、日焼けをすると風邪をひきやすくなるのだと鈴木先生は解説する。夏風邪が流行る原因のひとつは、ここにある。

「紫外線を浴びると、そのダメージから身を守るためにメラニン色素が作られるため、肌は黒くなります。つまり日焼けすること自体、体が有害な紫外線から身を守ろうとしていることの証明でもあるわけです」

男子はとくに、夏になると真っ黒に焼いて精悍さをアピールしよう…などと考えることもあるけど、「紫外線によって傷つけられた細胞が増えると、がんを発症することもあり得ます」というから、焼き過ぎにはご注意を。
(友清 哲)

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