身体にまつわる都市伝説 第64回

親不孝をすると「さかむけ」ができる?

2011.09.12 MON

身体にまつわる都市伝説


男だって、爪のまわりはキレイであるに越したことはない。ちなみに、地域によって言い分けられている「さかむけ」も「ささくれ」も、症状は同じであると鈴木先生は補足する
男はまったく気にしていなくても、女性には意外とチェックされている部位というのがある。指先もそのひとつで、よく女性から「爪が伸びている男子は不潔でイヤ」なんて声を聞いたりもする。ネイルサロンが男性にも門戸を開いている昨今、やはり男だって指先は美しく整えておくに越したことはないのだ。

爪だけでなく、爪の甘皮(根元の皮)があまりに荒れているのも、見栄えがよろしくない。昔から「親不孝をするとさかむけができる」などといわれるが、そもそもさかむけはなぜできるのだろう?

「人間の体の中で、皮膚が終わる場所は唯一、この爪の周辺だけです。さかむけが親不孝によってできるというのはさすがに迷信でしょうが、もともと刺激によって皮膚がめくれやすい部位ではあると思います」

そう解説するのは用賀ヒルサイドクリニックの鈴木稚子先生だ。たしかに、他の部位はすべて皮膚がつながって覆われており、皮膚が途切れる場所というのは見当たらない。

さかむけの先端は、すでに死んだ細胞なので痛みを感じることはないが、ムリに剥いでしまおうとすると、生きた皮膚まで一緒に裂けてしまい、出血や痛みをともなうことがある。

「皮膚は本来、目には見えない皮脂膜で守られています。ところが、水仕事などでこの皮脂膜が洗い流されてしまうと、どうしても皮膚が刺激を受けやすくなるんです。さかむけを見つけたら、力任せに引っぱらず、小さなハサミなどを使ってめくれた部分の根元ギリギリのところから切り落とすようにしてください」

洗い物のあとに女性がハンドクリームなどでケアするのは、失われた皮脂膜をカバーし、手を美しく保つためだ。

「また、栄養は血液からも運ばれますから、血流が悪いと末端部分である指先の皮膚が荒れやすくなります。ビタミンE不足などもさかむけの原因のひとつですね」

なお、さかむけも度を越すと、爪の根元に雑菌が侵入する原因となる。その結果、ボコボコと形の悪い爪が生まれたり、あるいはカビ菌が繁殖して水虫になるなど、様々な弊害が生まれるという。親から授かった体を健康に保つのも親孝行のひとつ。その意味では、さかむけができるような生活は、たしかに親不孝といえるのかも!?
(友清 哲)

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