知っておきたい親孝行&介護の作法 第5回

時代に合わせて宴も変わる? 親の「還暦」の正しい祝い方

2011.09.19 MON


主賓が身に着ける赤いちゃんちゃんこや頭巾は、「赤子に還る」という意味のほか、「赤い色は魔除けになる」という願いも込められている縁起物
R25世代のなかには、両親がそろそろ「還暦」を迎えるタイミングの人も多いはずだ。誕生日と違って一生に一度の機会だけに、できればキチンと祝ってあげたい。でも、正直なところ還暦ってよくわからないし、“赤いちゃんちゃんこ”を贈って宴会をするくらいのイメージしか湧かない…。

そこで広辞苑を引いてみると、還暦とは「(60年で再び生まれた年の干支にかえるからいう)数え年61歳の称」のこととある。つまり、生まれた日から干支(十干・十二支)が1周するから“暦が還る”わけで、お決まりの赤いちゃんちゃんこには、“赤子に還る”という意味があるんだとか。主旨はわかったけど、具体的にどうやって祝えばいいんだろうか?

「そもそも還暦は、元服、婚礼と並んで人生の“三大祝儀”のひとつに数えられていた伝統的な賀寿(長寿のお祝い)です。かつては数え年で61歳になる元旦から節分までに祝うのが通例でしたが、現在は満60歳の誕生日前後や敬老の日に行うことが多いですね。また、最近は多くのお客様を招いて盛大に祝うというよりも、ご家族や親類などの身内の方々で集まり、自由なスタイルでお祝いするのが主流になっているようです」

と教えてくれたのは、格式ある結婚式場として知られる目黒雅叙園の広報担当・多田彩子さん。2009年からスタートした同社の還暦祝いプラン「環喜日(かんきび)」には、親の還暦を祝いたい子世代から多数の申し込みがあるんだとか。

「気を付けたいのは、現代で60歳といえばまだまだ現役世代であり、お年寄り扱いされるのを好まない方もいらっしゃることです。例えば、赤いちゃんちゃんに抵抗があるという方の場合は、代わりに会場のテーブルコーディネートを赤いカラーで統一したり、赤いバラのコサージュを身に着けたりと、モダンな装いに変える工夫が好まれているようです」

たしかに、今の60歳って老人というより壮年のイメージがある。昔とは「長寿」の感覚が違う以上、形式にこだわらないスタイルで祝ってあげたほうが喜ばれるのかも。

「東日本大震災以降、還暦など家族の記念日を祝いたいというお客様が増加傾向にあります。家族の絆にあらためて気付かされたことで、ご家族が一堂に集まれる機会が見直されているのかもしれません」

ちなみに、還暦の後は70歳で「古希」、77歳で「喜寿」、80歳で「傘寿」、88歳で「米寿」、90歳で「卒寿」、99歳で「白寿」といった節目が目白押しだ。先の道のりは長いけれど、両親にはできるだけ多くの賀寿を祝わせてほしいものだ。
(呉琢磨)

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