知っておきたい親孝行&介護の作法 第6回

もし親に介護が必要になったら…一体いくらお金がいるの?

2011.09.26 MON


「団塊世代の親のなかには、子に心配をかけたくないあまり、悩みや不安をまったく相談しない人も増えています。日頃からマメに連絡をとり、健康のことや将来の暮らし方の希望などを知っておけば、いざ介護が必要になったときもスムーズにはじめられます」(太田さん) 写真提供/PIXTA
いまは元気な両親だけど、月日が経つにつれて体は衰えていく。将来的に「介護」が必要になるかもしれないと考えると、なんだか結構不安になる。自分の生活に手一杯で貯蓄も少ないし、毎日忙しく働きながら介護もするなんて、どう考えても不可能なような…。まだ遠い先の話とはいえ、ぼんやり考えるだけで気が重くなってしまう人もいるのでは?

「20~30代の方が介護について不安に感じている理由のひとつに、『自分の収入で親の面倒を見られるだろうか?』という悩みがありますが、これは大きな勘違いです。介護資金は、親本人のおサイフで賄うのが基本なんですよ。具体的に何千万円と数字を出している試算もありますが、あまり参考にする必要はないですね」と教えてくれたのは、介護・暮らしジャーナリストでNPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さん。

「貯蓄に余裕があって設備の整った介護施設に入ることを希望する方もいれば、介護保険を利用しつつ在宅でケアを受ける方もいます。いまの親世代は年金が充実していることもあり、若者世代よりお金を持っているケースが少なくないですから、資金面に関して子が不安に思う必要はありません。親本人の予算をもとに、『いくらかかるか』ではなく『いくらかけるか』に合わせて介護プランを考えればいいんです」

でも金銭面以外にも、離れて暮らす親を自分の元に引き取ったり、会社を辞めて介護に専念せざるを得ないケースだってあるのでは?

「親の介護のために仕事を辞める“介護離職”は確かに増加していますが、個人的には反対です。親を思う気持ちは大切なことですが、自分の生活だって大事。将来設計を壊してまで介護に専念して、親は本当に喜ぶでしょうか? 離れていて頻繁に訪問するのが難しければ、ホームヘルパーなどのサービスも使えます。月に一度顔を見せにいったり、頻繁に電話で声を聞かせるのも介護のうちと考え、自分にできる範囲でがんばればいいんです」

なんかだか意外とフランクな感じ。では実際に親に介護が必要になったら、最初に何をすればいいんだろう?

「まずは親の居住地を管轄している『地域包括支援センター』に連絡をしてください。ここが最初の窓口になって、保健や介護プランのことなど全体的なアドバイスをしてくれます。その後は兄弟に連絡をとったり、専門家と相談しながら介護プランを組んでいきます。いずれにしろ、介護は絶対に一人ではできません。家族や専門家、そして親本人を含めた“チーム”を組んで立ち向かうことが重要なんですよ」

最近は介護休暇制度を取り入れるなど、介護支援に力を入れはじめている企業も増えているとか。自分一人で抱え込もうとしなければ、介護だってそれほど心配することじゃないのかも?
(呉琢磨)

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