数字で読み解く! 人生の「確率」/第8回

「二度あることは三度ある」確率は?

2011.10.10 MON


もちろん、すべて表または裏になってしまう確率だって低いもの。悪いことがずっと重なっていても、諦めずに頑張ってチャレンジを続けるのは健全な姿勢といえるのだ 画像提供:ACM/PIXTA
道を歩いていたら、鳥のフンが頭に落下。うんざりしながらふき取っていたら、今度は犬のフンを踏んでしまった…。なんて、これだとまるでマンガのようなたとえだが、人生にはこのように不幸(または幸運)が連続して起こるケースがよくあるもの。ここで誰もが思い出すのが「二度あることは三度ある」という諺(ことわざ)だろう。辞書を引くと「二度あったことは必ずもう一度ある。物事は繰り返されるものである(大辞泉)」とある。しかし、諺にあるように、物事は本当に繰り返される場合の方が多いのだろうか? 今回は「二度あることは三度ある」確率について考えてみたい。

ここでは、シンプルにコイン投げを例にしてみよう。言うまでもないことだが、1枚のコインを1回投げて表、または裏が出る確率はともに50%。では、1枚のコインを何回か投げた結果、表→裏→表…と交互になる場合と、表→表→裏…または裏→表→表…というように繰り返しの結果が含まれる場合とでは、どちらの確率の方が高いと思うだろうか? 実は何回か投げてみると、繰り返しの結果が含まれる確率の方がはるかに高いのである。

1枚のコインを5回続けて投げた場合で考えてみよう。このとき、出た表裏の組み合わせは全部で32通りになる。時間に余裕がある人は、すべての組み合わせを図に表してみればすぐにわかるのだが、すべての組み合わせのうちで、表と裏が交互に出るのは「表→裏→表→裏→表」と「裏→表→裏→表→裏」の2通り。つまり、表裏の同じ面が繰り返しにならない確率は32分の2(約6%)しかないことになる。少なくともコイン投げに関していえば、“物事は繰り返される”方が当たり前といえるのだ。

では、同じ物事が2回だけ繰り返される場合と3回以上連続して繰り返される場合とでは、どちらの確率の方が高いのだろう? 1枚のコインを5回続けて投げ、裏または表が3回以上繰り返される組み合わせがどれくらいあるのかというと、全部で16通り。一方2回だけ繰り返される組み合わせは、すべての組み合わせ32から先ほどの16を引き、さらに表裏が交互となる2を引いた14通りとなる。すなわち答えは、50%と約44%。「二度ある(しかない)」ことよりも「三度(以上)ある」確率の方がやや高いことになる。というわけで、「二度あることは三度ある」という諺は、確率的にもだいたい正しいといえるのだ。

ただし、念のために言っておくと、コイン投げの場合「(5回投げて)二度しか同じ面が連続しない確率よりも、三度以上連続する確率の方がやや高い」からといって、2回連続で表が出たら、3回目は裏が出る確率の方が少ない、と考えてしまうのは大きな間違い。なぜなら、これまでに投げた結果とは関係なく、1枚のコインを1回投げた場合に裏が出る確率は、常に50%だからだ。ここを勘違いしていると、ギャンブルで大損してしまうことになりかねないので、くれぐれもご注意を。

(石井敏郎)

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