知っておきたい親孝行&介護の作法 第8回

意外と知らない介護保険のしくみ。どう使えばいいの?

2011.10.10 MON


「高齢者のなかには『国のお世話になるのは申し訳ない』と介護保険の申請を拒む人もいますが、現実的に介護にはお金がかかるものです。用意されている制度はしっかり利用すべきですね」(太田さん) 写真提供/PIXTA
R25世代の僕らにとっては、まだ身近な問題とは言えない「親の介護」。でも、いずれ自分の親にも介護が必要になると考えると、やっぱり不安になるのはお金のことだ。ホームヘルパーを頼んだり、介護施設を利用したりするとなったら、相当な費用がかかりそう…。いまからコツコツ貯金しておくべき?

「介護にいくらかけるかは、予算や介護のレベルに応じて人それぞれ異なります。ただし、基本的には『介護保険』を利用することで、介護にまつわるサービスは原則として費用の1割を自己負担するだけで利用できるんですよ」と教えてくれたのは、介護・暮らしジャーナリストでNPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さん。

「現在の介護保険は、2000年からスタートした比較的新しい公的社会保険制度です。40歳になったら加入義務が発生し、誰もが保険料を支払うことになります。そして原則65歳以上の人に介護や日常生活の支援が必要になったとき、状態に応じて適切な介護サービスを受けられるという仕組みになっています」

そんなありがたい保険があったとは! ちなみに、厚生労働省が行った調査によれば、全国で介護保険を利用している人は約485万人。制度がスタートした10年前に比べると、約2倍近くまで増加しているんだとか。

「ただし、介護保険のサービスを利用するには、自治体による『要介護認定』を受ける必要があります。申請すると訪問調査員が自宅を訪ねてきて、本人と面談しながら“どのレベルの介護が必要か”を判定するわけです。結果は『要支援1~2』『要介護1~5』までの7段階に分かれていて、区分ごとに受けられる支給額の上限が変わってきます。例えば、もっとも軽度な『要支援1』なら月額4万9700円、もっとも重い『要介護5』なら月額35万8000円を上限として給付を受けられます」

といっても現金で支給されるのではなく、各自治体が認定している在宅介護サービスや介護施設などを利用する際に、その費用の9割が保険で賄われるというわけ(ただし、上記の限度額を超えてサービスを受ける場合は自己負担となる)。そのほか、自宅を介護向きに改修したり、介護に使う用品を購入する代金として保険が使えるケースもあるんだとか。

「要介護認定を受ける際に気を付けたいのは、介護される親の心理として、初対面の人の前では元気なところをアピールしてしまう傾向があるということ。何か困っていることがあっても『大丈夫です』と言ってしまい、本来よりも低い区分に認定されてしまうケースもあるんです。訪問調査のときは家族が同席して、ありのままを伝えるようにしたいですね」

介護にまつわる心配事はお金だけではないけれど、介護保険制度をキッチリ利用すれば、そう不安にならなくても大丈夫なのかも?
(呉琢磨)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト