数字で読み解く! 人生の「確率」第10回

「誕生日が同じ」人がいる確率は?

2011.10.24 MON


逆に言うと、同じフロアに誕生日が同じ人がいない方が奇跡的ともいえる。自分のフロアの名簿などを確認してみると面白いかもしれない 画像提供:わみこ / PIXTA
先日のニュースによると、茨城県内に住む50代の女性が、国民健康保険料を滞納していた別の女性と間違われ、生命保険を差し押さえられるという事件があったそうだ。2人の女性が同姓同名かつ生年月日が同じ、ということが間違いの起こったいちばんの原因という。

間違われた女性にとっては、かなり迷惑な話ではあるが、このニュースを知って、世の中にはこんな偶然もあるんだなーという感想をもった人も多いはず。確かに、同姓同名かつ生年月日が同じ人が存在する確率は、奇跡と呼んでもいいくらい低いものだろう。

しかし、これが「同じ誕生日(生年は違ってもよい)」という条件ならどうだろう。たとえば、現在働いている職場のフロアに、誕生日が同じ人(自分と同じ誕生日でなくてもよい)が2人以上いる確率はどれくらいになると思うだろうか?

ここでは、フロアに50人のスタッフが働いているものとしよう。計算を簡単にするために、うるう年の2月29日生まれを除き、誕生日の数を365として、50人のうちで、何月何日でもいいから誕生日が同じ人が2人以上いる確率を考えてみる。もちろん、ここでは統計的に何月何日生まれが多い、というような要素は考えていない。

この場合には、50人すべての誕生日が異なる確率を考え、確率全体(1)から引くという計算を行う。考え方を説明するため、まず2人の誕生日が異なる確率を考えてみよう。最初の1人は何月何日生まれでもよいが、2人目は最初の1人の誕生日以外とならなければならないので、2人の誕生日が異なる確率は、

(365/365)×(364/365)

となる。この要領で50人の誕生日が異なる確率を計算すると、

(365/365)×(364/365)×(363/365)×(362/365)…×(316/365)≒0.03

つまり、50人全員の誕生日が異なる確率は約3%。ということは、同じ誕生日の人が2人以上いる確率は97%もあることになる。ちなみに、20人でも約40%の確率で、同じ誕生日の人がいることになるのだ。「同じフロアに誕生日が同じ人がいた!」というだけなら、意外とありふれた出来事なのである。

なお、この確率は「自分と同じ(特定の)誕生日の人がいる確率」を出すものではない点に注意してほしい。複雑なので計算は省略するが、50人のうち、自分と同じ(特定の)誕生日の人が1人だけいる確率は約12%。これも、意外と低くはない。確率だけで考えれば、誕生日が同じということに運命を感じる必要は、あまりないのかもしれない。

(石井敏郎)

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