知っておきたい親孝行&介護の作法 第10回

離れて暮らす親と会える「残り時間」って?

2011.10.24 MON


日本人女性の平均寿命は86.39歳で、1984年以降26年間連続の世界一を記録している。一方の男性も79.64歳で世界4位をキープ。世界全体の平均寿命は68歳だ
実家から離れて毎日忙しく暮らしていると、親とコミュニケーションできる機会は限られてくる。たまに近況報告の電話やメールはするけれど、直接会って話をするのは年に数回帰省したときだけ、という人も多いはずだ。しかし、誰にとっても「親と会えなくなる日」はいずれ必ずやってくる。そう考えると、一生のうちに親と会える「残り時間」について、ちょっと真剣に計算してみたくなる。

リサーチ会社のバルクが関東地区在住の成人男女1000人を対象に実施した「帰省に関する調査」によれば、帰省する人の頻度は「半年に1度以上」がもっとも多く全体の35.93%、次いで「1年に1度以上」が27.87%という結果だった。実家までの距離にもよるとはいえ、まとまった休みが取れる年末年始や夏休みくらいしか帰省のチャンスはないのが、多くの人にとっての現実なのかも。

これをもとに計算すれば、親と会える残り時間が算出できそうだ。ベストセラーになった書籍『親が死ぬまでにしたい55のこと』(親孝行実行委員会・編/泰文堂)では、次のような計算式が紹介されていた。

■(親の残された寿命)×(1年間に会う日数)×(1日で一緒にいる時間)=親と会える残り時間

仮に両親が今年60歳になるとして、日本人の平均寿命83歳から引き算すると23年。半年に一度帰省して3日間滞在するなら、1年間に会う日数は6日だ。さらに1日(から睡眠8時間を引いて)の起きている時間の半分くらいは顔を合わせると考えて計算してみた。

■23×6×8=1104時間(約46日)

つまり60歳の両親とこれから一緒に過ごすことができる残り時間は、実質1カ月半しかないということか。もちろん平均寿命以上に長生きする親だっているわけで、あくまでも机上の計算ではある。しかし、毎日オフィスで同僚たちと顔を合わせている時間と比べると、驚くほど短いんじゃないだろうか。

日本は世界で一番の長寿国といわれるけれど、「親子が一緒に過ごせる時間」は決して多くはないのかもしれない。とはいえ僕らにできる親孝行のなかでも、「元気で暮らしている姿を見せる」のは、親が一番喜んでくれることのひとつ。なんとかスケジュールをやりくりして、少しでも親と会える時間を増やしたいものだ。
(呉琢磨)

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