身体にまつわる都市伝説 第73回

「耳から白い糸」…の噂の真相は!?

2011.11.14 MON

身体にまつわる都市伝説


耳から視神経が…とは、医師である須田先生をして「少年時代は本気で震え上がっていました(笑)」というほど、抜群の破壊力をもっていた都市伝説。根も葉もないことがわかり、ひとまず一件落着!?
少年時代から忘れられない都市伝説がある。ある人が鏡を見ていた際、目や耳などから白い糸状のものが垂れているのを見つけ、それを何の気なしに引き抜いた瞬間――、いきなり視界が真っ暗になり、何も見えなくなってしまうという世にも恐ろしいエピソードだ。

これは目鼻の隙間やピアス穴などからはみ出ていた視神経を、うっかり引っ張ってちぎってしまったがゆえの現象とされる。これを聞いてから、いつか鏡の中の自分の顔に、白い糸を見つけてしまうのではないかと、ハラハラしていたものである。

大人になった今、そんなことはあり得ないだろうとタカをくくってはいるものの、一抹の不安が残っている。絶対にないと言い切れるものなのか、池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみよう。

「これはたしかに有名な都市伝説ですよね。私自身も幼少のころ、この話にはそうとう怯えた記憶があります。でも、ご安心を。網膜から伝達される情報量というのは膨大ですから、神経がいくら高性能に作られていても、コードに相当する部分はそれなりに太いものになります。決して、目や耳などからはみ出すような、細い糸状のものではあり得ません」

長年の不安も、これでひと安心? 須田先生によれば、視神経は眼球の背面から脳の下(つまり頭部の中心部分)を通り、大脳の後ろ側にある後頭葉へとつながっているという。つまり、そもそも顔面を経由していないのである。

「視神経とはその名の通り、視野や視界にかかわる神経で、解剖学の資料などを確認すると、およそ4~5mmの太さがある頑丈なもの。人間の体というのは、重要な器官ほど厚く保護されており、頭蓋骨は骨の中でもとりわけ硬度の高い部分です。その中を通る視神経はVIP中のVIP扱いですから、これが表面に出てくることはまずないでしょう」

一説によれば、闇雲にピアスの穴を開けたがる少年少女に対し、警鐘を鳴らす目的で広められたともいわれるこの都市伝説。たしかに目も含め、親からもらった体を大切に…と考えさせられる効果はあったかも。
(友清 哲)

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