オトコを深める“旬ワード”辞典

激動中! 経済総まとめ&大予測/第1回 経済回復のカギ! 貿易の最新動向は?

2011.11.21 MON

オトコを深める“旬ワード”辞典

どうする? どうなる? TPPと日本の貿易



賛成派と反対派が激しく対立し、ニュースでも目にすることの多い「TPP(環太平洋パートナーシップ『Trance Pacific Partnership』の略称)」。そして輸出産業に大きな影響を及ぼしている超円高。日本経済の大きなよりどころである貿易に今、何が起こっているのかを経済アナリストの森永卓郎さんに聞いてみました。

まずTPPに参加した場合の影響が議論されていますが、具体的にはどんな影響・変化が起こると予測されますか?

「TPPに参加した場合のプラス面としては、たとえば米国向けの関税(乗用車の場合2.5%)がなくなります。ですが現在の著しい円高の中では、さほど大きなメリットとは思えません。自動車関連における他のメリットを挙げるとすれば、ピックアップトラックは通常の自動車よりも関税率が高いので、これが撤廃されると輸出がしやすくなる…ということくらいでしょうか」

なるほど、自動車産業においてはその効果は限定的になることが予想されるわけですね。では、デメリットとしてはどのようなことが?

「特に農業におけるデメリットが大きいといえます。農林水産省の推計では、TPPに参加した場合、お米は魚沼産コシヒカリや有機米などのブランド米以外は、安い輸入米との価格競争に敗れて売れなくなってしまうとのこと。さらに、食料自給率は現在の約40%から約14%にまで落ちると予測されています。最初に出てくるのがこういった『食』にかかわる問題ですが、その先につながるサービス業などにも影響が広がることが予想されます。TPPは参加後10年かけて関税を撤廃していくので、大きな変化がじわじわと起こることになります。関税というガードがなくなり、安く大量に入ってくる輸入農作物と戦う『弱肉強食』の時代になるでしょう」
「海外旅行が安く楽しめる!」なんて楽観視していた人は要注意! 円高による経済効果には、目先のメリットだけでなく、様々な問題も…。 イラスト/今井ヨージ
さらに貿易といえば、TPPだけでなく「円高」が深刻な問題となっていますが…。

「2007年の円相場は1ドル約110円。そして現在(2011年11月時点)は約75円と、たった数年でここまで円高が進めば、輸出業は当然苦しくなります。例えば1万ドルでクルマを売っていたとして、4年前に110万円入ってきていたものが、今は75万円しか入ってこない。これだけ収益に差が付けば、当然赤字になってしまいます。リーマンショックで世界中の製造業の勢いが落ちましたが、その中でも円だけが急騰したため、日本が一番影響を受けました。すでに工場を国外へ移す、国内工場の従業員のリストラをするなどの対策を行っている企業も多く、危機的状況といえます」

もうそんなところまで円高の影響を受けているとは…。今後も続くとどうなってしまうのでしょう?

「企業が海外へ工場を移すということは、それだけ日本国内での流通や雇用が減っていく。さらに『ヒステリシス効果』といって、一度海外に出てしまったものはなかなか戻らなくなります。つまり将来、円高が収まっても、日本から出ていった工場はなかなか戻らないということです。ですから今すぐにでも対策が必要です」

様々な問題に直面している日本の貿易。森永さんによると「TPP参加や円高など、今後の方向性は2013年中には見えてくる」とのこと。今後の日本を知るためにも、これら動向には要注目です。 投稿募集はこちら TPP参加や円高など大きな問題を抱えている日本。輸出大国としての今後が、今まさに決まろうとしています。
景気はもちろんですが、日々の生活に直結する「食」にも大きな影響を及ぼす問題だけに、その行く末に注目です!!



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