導入10年、想定利回りは右肩下がり

運用せず元本割れ続出!?「確定拠出年金」の不安

2011.11.17 THU


年々増加する加入者数とは裏腹に想定利回りは右肩下がり。昨今の低金利環境、株式市場の低迷を受け、運用利回りは低く設定される傾向がある
図版制作/山里將樹 ※厚生労働省、企業年金連合会資料より
私的年金のひとつ「確定拠出年金」が10周年を迎えた。導入当時「日本版401k」として話題になったこの年金。今年7月には加入者が400万人を突破したという。最大の特徴は、加入者自身による掛け金の運用。運用の成否で、老後の年金額が増減するのだ。だが、自ら運用といっても、加入するサラリーマンの大半は投資の素人。ロクに運用せず、放置しているケースも多いようだ。

「労働組合の講習で制度の話をする機会がありますが、参加者に聞くと積極的に運用している人は1割に満たない印象です」(ファイナンシャルプランナーの原彰宏氏)

とはいえ、運用せずに放置すれば、増やすどころか目減りしかねない。この10年で投資環境は冷え込んでおり「想定利回り」の平均はほぼ右肩下がり。2001年には2.39%だったが、2010年には1.86%まで落ち込んだ(企業年金連合会)。では、どう運用すればいいのか?

「確定拠出年金の運用先には元本保証型の『定期預金』『保険商品』と元本割れのリスクをともなう『株式』『債券』の投資信託に分かれます。リスクをとりたくない人は100%定期預金でOK。リスクをとって資金を増やしたいなら値動きの激しい株式に投資するのもよいでしょう。確定拠出年金は毎月積立運用で、その評価は『最終単価×買付量』で計算されます。不況時は株価が下がり、結果的に買付量が増えるので、今こそ積極的に運用に参加するのが得策です」

怖いのは元本割れのリスクだが、あくまで支給開始年齢までにプラスに転じていることが重要であり、短期的な収支に一喜一憂してもあまり意味がないという。

「月々の平均拠出額も1万4000円と少額ですし(厚労省調べ)、積立投資はうまくリスクが分散できます。まずはリスクを恐れず投資に慣れることも重要だと思います」

自分の年金運用を放置している人は、きちんとチェックしておかないと後悔するかも。
(榎並紀行)


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