身体にまつわる都市伝説 第75回

イライラはカルシウム不足のせいってホント?

2011.11.28 MON

身体にまつわる都市伝説


イライラとは無関係でも、やっぱりカルシウム摂取をおろそかにしてはいけない。なお、カルシウム補給には、小魚や煮干しなど骨も一緒に食べられる食材がお薦め、というのが須田先生からのアドバイスだ 写真提供/PIXTA
朝からどうも上司の機嫌がよろしくないから、細かなミスに気をつけよう。彼女の機嫌が今ひとつだから、今日は優しく接してあげよう。…そんなふうに、空気を察しながらコミュニケーションをアレンジするのは、大人のふるまいのひとつといえる。

誰しも人間なのだから、気分にムラがあるのは仕方のないこと。自分自身をかんがみても、妙にイライラしてしまう日というのは、やはりある。

ところで、カルシウムが不足するとイライラしやすくなるというのはわりとよく耳にする話だが、実際のところはどうなのだろう? 池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「カルシウム不足に起因する『低カルシウム血症』というのは存在していますが、その症状としてイライラにつながるかというと、少々疑問です。ただ、カルシウムの血中濃度が下がると稀に、情緒不安定に陥ることはあるようですね」

拡大解釈すれば、低カルシウム血症の結果として、イライラすることはあるのかもしれない。ただ、それはカルシウムにかぎらず、低血糖であっても起こり得ること。一概にカルシウムの摂取量と結びつけるのは、やや強引だろう。

ちなみに須田先生によると、人の体はカルシウム不足を感じると、体内のカルシウム源からそれを調達する機能を持っているという。にもかかわらず血液中のカルシウムが不足するということは、イライラでは済まない健康上の一大事も考えられる。

「カルシウムが足りなくなると、人は骨などから成分を溶かして取り込むことができます。それでも低カルシウム血症が発症するようなケースは、慢性腎不全や副甲状腺の機能低下など、何らかの病気に基づいている可能性が高いと考えられます」

結局のところ、バランスよく栄養が行き渡っていれば、人は心身ともに健康でいられるもの。「最近、どうもイライラするな…」と感じたら、まずは食生活や生活習慣を見なおしてみるのが一番かも。
(友清 哲)

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