「通貨選択型投資信託」は慎重に!

投信マーケット拡大で苦情も急増中

2012.03.01 THU


写真はゆうちょ銀行本店(東京都千代田区)の資産運用窓口。投資信託を購入する際は、どの程度のリスクがあるのかをきちんと確認しておくべきだ 『週刊東洋経済』毎週月曜発行 現在発売中の特集は「 親子で挑む資産運用」 特別定価690円(税込)
画像提供/PANA
資産運用において、株とともにメジャーな地位を占める投資信託。そのマーケット規模は今や60兆円に達している。R25世代の中にも、将来の年金不安に備え、投信の積立投資を始めている人もいるだろう。

1998年に銀行窓口での投信販売が解禁されて以来、投信は一気に身近なものになった。とくに60代以上のシニア世代の中で、投信の普及が一気に進んだ。だが、今問題となっているのは、金融リテラシーの低いシニア世代に対する、銀行や証券会社のセールス攻勢だ。とりわけ地方では、銀行への信頼感が強いだけに、銀行員に勧められると、商品の中身を理解しないままリスクの高い投信を買ってしまう、という事例があとを絶たない。

「リスクの説明もなく、内容もわからないまま投信を購入させられた」─そんな苦情が、近年急増しているのだ。2010年に投信に関して国民生活センターに寄せられた苦情は1858件。これは06年の約2倍である。

とくに評判が悪いのが、通貨選択型と呼ばれる投信。これは、債券などに投資しながら、その資産をブラジルレアルなどの通貨で運用するという複雑なタイプの商品だ。1年で2、3割の価格上昇もあり得る一方、その逆もあり得る。加えて、手数料も高く、老後資金の運用には適さない。だが、投資信託資金流入額ランキングによると、こうした通貨選択型や海外リート(不動産投資信託)などのハイリスクな商品が、資金流入額で上位を占めている。

投資は基本的に自己責任だが、金融リテラシーの低いシニア層に、高リスクな商品を勧める金融業者の姿勢には疑問が残る。

これまで、親の資産に子が口を挟むのはタブーとされる風潮があった。しかし、それではいささか心もとない。あなたの両親や祖父母が金融業者にカモられないよう、目を光らせておく必要がある。
(佐々木紀彦/『週刊東洋経済』)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト