香港ドルとか豪ドルとか…

「通貨単位」が同じ国の不思議

2012.03.15 THU


$記号の起源には諸説があるが、もっとも有力なものがメキシコ銀貨「ヘラクレスの柱」の図柄。この柱は、ジブラルタル海峡の両岸に立っていたとされる
画像提供/植村峻
昨年ネパールを旅して抱いた素朴な疑問。同国の通貨単位「ルピー」ですが、経由したインドもルピーだし、調べたところパキスタンやスリランカ、果てはインドネシア(ルピア)まで同じ。そもそも、ドルやポンド、フランといった単位もいろんな国で使われています。日本ではなじみの薄いディナール、ペソ、リヤル、クローネ、ルーブルなども複数の国で使用されていますが、これは一体なぜ? 財団法人印刷朝陽会の紙幣研究家・植村峻氏にうかがいました。

「代表的な理由は植民地ですね。旧イギリス領はポンドやシリング、旧フランス領はフラン、旧スペイン領はペソなど、宗主国の通貨単位を使っています。アメリカもイギリスの植民地時代はポンドを使っていましたが、独立を目指す13州からなるアメリカ大陸会議が開催されるようになってから独自の通貨“ドル”を流通させるようになりました」

なるほど。でもオーストラリアや香港は旧イギリス領ですが、なぜポンドではなくドルを?

「かつてオーストラリアもポンドだったのですが、ポンドは12進法と20進法が混在する複雑な通貨だったので、1966年に10進法のドルを採用しました。香港はもっと古く1867年頃から。なお、イギリス本国も1971年にポンドを10進法に変更しました」

ちなみに昔は1ポンドが20シリング。1シリングが12ペンスだったようです。た、確かに計算しにくい。

「他に通貨単位が共通する背景には、国同士が物理的に近かったり、もともとひとつの国や経済圏だったからというパターンもあります」

なかには通貨単位のみならず、複数の国で共同通貨を利用する例もあるとか、西アフリカで広く用いられているCFAフランがその一例。さらに、こうした共同通貨の一歩進んだ形がご存じ“ユーロ”。しかし、そのユーロもギリシャ危機で先行き不透明。その運命やいかに。
(熊山 准)


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