初めてのエコボランティア体験記

第4回 都市の自然を再生する「流域思考」とは?

2012.04.17 TUE

初めてのエコボランティア体験記


国土交通省管轄の地域防災施設「鶴見川流域センター」で記念撮影。水害に備える防災活動拠点でもある同施設だが、平時は鶴見川流域の環境や自然を学べる展示や催しも。床の航空写真は、鶴見川の流域マップだ(写真撮影/森カズシゲ)

水の流れをたどると、自然がつくった地図が見える?



「僕は鶴見川下流の鶴見という町で育ちましたが、少年時代を過ごした1950~60年代の鶴見というのは、雨が降れば大水害。おまけに公害もひどくて川は汚い、という環境でした。僕がライフワークとして取り組んでいるのは、大都市としてめちゃくちゃに開発してしまった鶴見川流域の環境を、市民団体や企業、自治体などと協働して再生させること。我々が自然環境に関与していくときに必要な地図の単位は、国や行政ではなく『流域』なんです」 

鶴見川は、東京都町田市、神奈川県横浜市、川崎市にまたがって流れている。また、ひと言で「河川の再生」といっても、洪水防止などの治水事業、動植物の生態系保護、水質の保全など、やることは多岐にわたるのが実情だ。人間が組織だって活動するためにはなんらかの枠組みが必要だが、行政や活動内容による区分で自然を相手にしようとすると、なかなかうまくいかないことも多いのだとか。

「その点、流域という単位は地形と水の流れを基準にする“自然が引いた地図”であり、環境へのアプローチになじみやすい。それぞれの個人や団体が、流域ごとに連携して環境活動を行い、都市でよりよく暮らしていく。それをみんなでやってみようよ、っていうのが僕のビジョンなのですが、それが今回のAQUA SOCIAL FES!! のコンセプトとばっちり合ったんです。水、川、海、森…様々なテーマのプロジェクトに参加して楽しんでいただいたうえで、ぼんやりとでも足もとに広がる流域という大地の地図に気づいてくれる人が増えたらうれしいですね」
AQUA SOCIAL FES!! 第1回のイベントで、若い参加者が多いことに驚く岸由二さん。この日歩いた鶴見川中流は、岸さんが少年時代に魚やザリガニを捕って遊んだ場所なのだとか。昼食時には、参加者それぞれが自分と関わりの深い「私の川」を語りあうゲームも行われた(写真撮影/森カズシゲ)
「流域で考える」といってもなかなかピンとはこないかもしれないけれど、要は一番近くにある「水の流れ」を単位にして、まわりの環境をとらえなおしてみるってこと。こんな僕のつたない説明じゃわからないって人は、騙されたと思ってAQUA SOCIAL FES!! のプログラムに参加してみてはどうだろう。見ず知らずの老若男女がわいわい集まるだけでも楽しいし、色々話しているうちに気づくことだってある。AQUA SOCIAL FES!! は、あくまで、ちょっとしたフェス気分が楽しめるイベントなのだから。 投稿募集はこちら 鶴見川再生プロジェクトをはじめ、全国50カ所で開催される「AQUA SOCIAL FES!! 2012」は、1年にわたって開催中。これから応募できるプログラムも多数あるので、気軽にのぞいてみてはどうだろう?

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