トキワ荘プロジェクト、中退予防研究所…

「社会起業家」が語る仕事の醍醐味

2012.04.23 MON


撮影/櫻井将士
「社会起業家」。その概念が浸透する前からNPO活動を開始した山本 繁さん。そのルーツは?

「将来は金融関係に就職しようと思っていたので、大学在学中に個人投資家向けの企業を立ち上げました。しかし、顧客が投資に成功する姿を見ても、その仕事にどんな社会的意義があるのかわからなかった。違和感を抱き、人生を考え直したんです。ちょうどそのころ、知人が家庭の事情で傷ついた子どもたちを癒やす劇団を運営していました。その仕事の手伝いを通して、教育関係の仕事をライフワークにしようと思うようになり、大学卒業と同時に知り合いのつてでボランティアを始めました」

大多数の学生が就職という進路を選ぶなか、ボランティアという働き方を選択した理由とは…?

「今の自分のまま、企業に就職しても、人生の軸を持たないまま30代を迎えてしまう気がしたんです。生活が安定しないことよりも、漫然と働き続けて、人生を棒に振ることを恐怖に感じていたので、ボランティアの道を選びました。自営業の親を見て育ったせいもあるんでしょうが、“目標”とその実現のためのスキルがあれば、いつかは食べられるようになると漠然と感じていました。だから、就職せずにボランティアの道に進んだことに対して、特に不安はなかったんです」

ボランティアを始めた当初は、自ら資金をかき集め、団体を結成。ニートの社会復帰を支援する活動を行っていたという。

「立ち上げから3年ほど経ち、運営の仕方もわかってきたころ、『これはビジネスに転換できる』と思ってNPO法人に切り替えたんです」

NPO法人「NEWVERY」に名前を変更した後、大学教育の在り方を見直す「日本中退予防研究所」や、漫画家志望の若者に格安で住居を提供する「トキワ荘プロジェクト」を立ち上げる。新たな挑戦に、戸惑いや迷いはなかったのか。

「『これは人生をかけてやるほどのことなのか』と考えたこともありましたね。でも、社会的に意義のあるものは必ず支持されていくし、仮に失敗してもすべて自己責任なので、納得がいくんですよ。だから、後悔したことはありません。問題を見つけ、解決するプランを考え、実行していく。このすべての工程を自分で行ってきたので、ある程度どんな作業にも対応できるようになりました。今は、フリーになってもやっていける仕事力が身についたと感じています」

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