いざ! 実踏調査してみた

2つのタワーを一望できる限界地は

2012.06.25 MON


先日ついに完成時の高さである634mに到達した東京スカイツリー。この東京の新たなランドマークは早くも大人気で、連日観光客が押し寄せている。近隣のマンションはこぞって「スカイツリーが見える」ことを売り文句にし、なかには、東京タワーとスカイツリーをダブルで望む「ツインタワービュー」を謳う物件も。

確かに、窓の外に新旧タワーが並び立つ姿は壮観だろう。では、果たしてツインタワーを望む限界地点はどのあたりになるのか? 
昨年7月、朝日新聞夕刊のコラムに掲載された「東京スカイツリーはどのくらい遠くから見えるのか?」という検証記事によれば「福島県の吾妻連峰、大島の三原山、計算上は富士山からも見える」となっている。

だが、富士山頂に人は住めない。知りたいのは住宅が建つ平地での限界点だ。そこで、中学レベルの数学「ピタゴラスの定理」を用い、探ってみた。まず、底辺を「地球の半径(6378km)」、斜辺を「地球の半径+ツリーの高さ(6378km+634m)」とし、地球の中心点、東京スカイツリー、観察者を直角三角形で結ぶ。すると、ツリーの先端から観察者までの距離は89.9kmくらいになるんじゃないだろうか?

結果、計算上は神奈川県真鶴町や千葉県館山市・銚子市、茨城県水戸市、埼玉県秩父市などが東京スカイツリーを望む限界地点であることが判明した(地図上の青いライン)。ちなみに、東京タワーを含む「ツインタワー」の視認限界距離は約65km。神奈川県三浦市、小田原市、東京都奥多摩町、茨城県土浦市、千葉県九十九里町などである(地図上の赤いライン)。ひとつの確証を得た取材班だが、いちおう本当に見えるのか確かめるべく、ツインタワー視認限界点のひとつと思われる小田原市の国府津駅に向かった。

…結論からいえば国府津駅からは東京タワーも東京スカイツリーも見えなかった。空は晴れ渡っていた。高台にも上った。(たぶん)計算も間違いない。時空でも歪んだのだろうか?
住人への聞き込みでも「どちらも見たことがない」とのつれない答え。それどころか、スカイツリー自体にまったく興味がない様子である。

ということで、残念ながら今回はその姿を確認することができなかった。もっとも、見えたとしても「ツリーの先っぽの点」くらいだろうから、それをスカイツリーと認識できたかどうかは微妙だ。やはり無謀なチャレンジだったのかもしれない。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)

わかりにくいかもしれないが、2つの円が重なる範囲が両方のタワーが見える範囲になる(ハズ…)

※この記事は2011年04月に取材・掲載した記事です

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