自営は5割、農家は3割しか納税してない?

「税金」をめぐる格差問題

2012.07.18 WED


若いサラリーマンにはなじみの薄い確定申告という制度。会社が全てやってくれるのは便利だが「税金を払っている」という実感が湧きにくい面もある
画像提供/アフロ
消費税ばかりが注目されているが、サラリーマンは毎月の給料から天引きという形で所得税と住民税を徴収されている。一方、自営業者は自ら税務署に収入や必要経費を申告し、そこから算出された税金を納めている。すべてガラス張りの前者に対し、後者の税額は「自己申告」がベース。仮に所得の一部を申告しなかったり、経費を水増しすれば課税額を抑えることもできるため、自営業者は「うまく節税できる」というイメージが…。こうした問題は昔から指摘されているが、実態はどうなのか? 税理士で滋賀大学特任准教授の有田行雄氏に伺った。

「確かに自営業者が申告する事業所得や必要経費の中には、曖昧なものが含まれている可能性も。私的な飲み会を仕事上の接待費として経費に計上することもできてしまう。そうした“節税”により、会社員と自営業者の間には徴税率の格差があるといわれてきました」

かつてはその徴税率の格差を表す「とうごうさんぴん」なんて言葉もあった。本来支払うべき税金を10割(とう)すべて徴収されるサラリーマンに対し、自営は5割(ごう)、農家は3割(さん)、政治家に至っては1割(ぴん)しか徴収されていないというものだ。

「こうした格差の是正に向け様々な対策も講じられています。例えば、一定の帳簿書類の備え付けを条件に承認される『青色申告制度』に手厚い控除特典をつけることで、国は厳正な申告を促しています。最近の研究では徴税率の格差はほぼ解消されたとみる向きもありますが、定量的なデータがないので、実態は分かりません」

じつは税金だけでなく社会保険料の格差も広がっている。平成22年度の国民年金納付率は59.3%と過去最低。給料から強制的に保険料が引かれる会社員からしてみれば、これも腑に落ちないところだろう。税や社会保障制度の実態について、会社員はもう少し目を向けるべきなのかも。
(榎並紀行)


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