心理学・脳医学が科学的に考察したら…

「50%は遺伝」“幸せ”って?

2012.07.18 WED


プロジェクターとDVD再生機があれば、誰でも自主上映会を企画できる。詳細は公式サイト(www.happyrevolution.net/jishu)まで
(c)映画『happy - しあわせを探すあなたへ』
「アメリカで働くビジネスマンの『幸福度』は、インドのスラム街に住む人力車の車夫とほぼ同じ」。世界中で研究が進む「幸福度」の最新統計調査で、こんなデータが明らかになったという。片や世界一の経済大国、片や貧しいスラム街の住人。この調査結果は、経済的な豊かさと幸せは必ずしも比例しないことを示している。

では「幸福度」が高い人生とは、どんなものなのか? 人生の主題ともいえるこのテーマに、正面から取り組んだ映画がある。アカデミー賞ノミネート監督ロコ・ベリッチと日本人プロデューサー清水ハン栄治による『happy しあわせを探すあなたへ』だ。本作では心理学や脳医学の世界的権威が科学的に「幸せ」を考察している。

例えばカリフォルニア大学の心理学教授・リュボミアスキー博士は「人間の幸福の約50%は遺伝に左右される。一方、財産や社会的地位を含めた生活環境は人の幸福に10%程度しか貢献せず、残りの40%は意識的に日常の行動やふるまいを変えることで最大化できる」と説く。つまり、どんな不遇な状況にあっても、自分次第で幸福度を高める余地はあるというわけだ。

さらに、監督自身が世界5大陸16カ国で出会った、様々な「人生」も紹介。財産を捨て、ボランティアハウスで重病者の介護をする元金融マン、コミュニティハウスへの転居をきっかけにうつ病を克服したシングルマザー、事故で顔面を激しく損傷しながら「事故前より幸せ」と語る主婦…。紆余曲折を経てつかんだそれぞれの今を描き、「幸せの在り方」を提起している。

ちなみに同作は全国での劇場上映に加え、共感した人が各地で「自主上映会」を企画できるよう、DVDを有料で貸し出している。幸せという正解のないテーマについて、一人でも多くの人に気づきを与えるための試みだ。

近年、閉塞感が漂う日本。我々も今一度「幸せ」について考えてみるべきかもしれない。
(榎並紀行)


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