放射線、ガスプラズマも研究中

帰ってきて!「レバ刺し」復活計画

2012.08.23 THU


「脱法レバ刺し」も登場するなど、規制から2カ月が経つ今も何かと物議を醸すレバ刺し。愛好家も多いだけに、安全な殺菌方法の確立が待たれる
画像提供/高口裕次郎/アフロ
生食用牛レバーの販売・提供が禁止され、焼肉店のメニューから「レバ刺し」が姿を消した。あれから約2カ月が経つが、復活を望む声も少なくない。厚生労働省は「今後、研究が進み、安全に食べられる方法が見つかれば、この規制の見直しを検討していく」としているが、その“研究”は現在どこまで進んでいるのだろうか?

全国食肉事業協同組合連合会(食肉連)の小林喜一専務理事に伺った。

「現在、牛生レバーの殺菌方法の開発に向け、様々なアプローチから研究が行われています。つい先日、厚生労働省が『放射線を使って大腸菌を死滅させる研究を開始する』と発表しましたが、それ以外にも塩素系消毒薬で洗浄殺菌する方法、ガスプラズマを使って病原体を死滅させる方法、高い圧力を加えて微生物の増殖を防ぐ方法などを調査・研究しています」

8月には食肉連がレバ刺し復活に向けたプロジェクトを発足。専門の事務局を立ち上げ、全国の食肉団体や畜産協会から協賛を得るとともに、今後は学者、食肉事業者と共同でこれらの実験を実施・推進していく。すでに復活に向け、明るい兆しも見られるという。

「私どもが行った実験では、次亜塩素酸ソーダで洗浄することにより、レバーの表面については生食に耐えうる衛生状態をクリアできることがわかりました。今後は血管などを洗浄することで内部組織への汚染が防止できるかどうかの実験を行っていきます。また、殺菌効果だけでなく、コストパフォーマンス、食味などのバランスも考慮し、実用化を検討していく予定です」

事務局では実験を踏まえ、来年3月をメドに「生食提供衛生マニュアル」を作成。容易な加工・殺菌基準を作って食肉販売業者に配布するとともに、厚労省に対して規制の見直しを訴えていく予定だという。

いずれにせよ答えが出るのは来年以降。レバ刺し愛好家にとっては、やきもきする時間がしばらく続きそうだ。
(榎並紀行)


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