接客バイトで仕事の向き不向きがわかった

小島よしお「無愛想だと言われて」

2012.09.27 THU


撮影/堀 清英
「自分がわかり、変えられるのがアルバイト」

芸人の小島よしおさんは、学生時代に実に多くのアルバイトを経験している。が、それとは別にひとつ、当時から大きな“仕事”を得ていた。

「芸人をやっていたんです。ひとりではなく、グループで。“WAGE”というお笑いサークルがそのままグループ名で、大学横断のお笑いトーナメントに出場したとき、スカウトされたんです」

1年生でプロデビュー。すでに『エンタの神様』などのネタ見せ番組にも出たほど。しかし、たいして稼げたわけでもなかったらしい。

「芸人仕事で稼げるのはせいぜい月2万円くらい。しかもネタ作りができないのでチケットさばきを担当してたら、売れ残った分を買い取ることになったり…」

あまたのアルバイトを経験。
その理由は“生活”のため

親元から学費の援助はあったものの、生活費はすべて自分でまかなったという。

「母親がやっていた沖縄料理屋の手伝いに、居酒屋のホールとキッチン。さらにバーテンダーをやってコンビニを2店やって。あとは駐車場の誘導員に道路工事の交通整理。あとはボウリング場の受付も」

お笑いのギャラと合わせて月12万円程度の収入。本業は“お笑い”なので、バイトはあくまでお金稼ぎだ。しかし、得るものもあった。

「接客業のバイトが多かったので、いろんなお客さんを見られたんです。最初のバイトでは『無愛想だ』と言われていたのが、やがて、“どういう人であるべきか”が接客を通じてわかってくるし、初対面でも『うぇい』とか言えるようになる。あとは自分のことや、仕事の向き不向きも、いろんなバイトをすることでわかってくる」

今にして思えば、もっと意識してアルバイトをすればよかったし、友達を作ればよかったという。友達が少ないゆえに、テスト対策に失敗、単位を落として2年留年。

「卒業と同時にWAGEも解散するんです。人に言うと『ミュージシャンか!』って言われるんですけど、方向性の違いで」

WAGEとして社会に出る目論見は露と消えるも、ピン芸人として世に出れば、「そんなの関係ねぇ!」とブレイク。今日に至るのだ。そして今年、「WAGE」を再結成させ、10月2、3日には単独ライブ「サイカイ」を予定している。

「解散したときからまたやろうって約束はしていたんです。でもやるんだったら『食えないから』という理由だけはなしにしようって」

実に6年ぶりと話すその表情は、おそらく学生時代のときそのものなのだろう。

「楽しみですね。書いてきたネタを持ち寄って、どんどん稽古していくんですけど。この6年間、それぞれやっていた方向性は違っても、間違いではなかったのかなと思いますね。さすがにチケットさばきはもうしませんけど!」
(吉州正行)

  • こじま・よしお

    1980年沖縄県生まれ。10月2、3日にWAGEコントライブ「サイカイ」を座・高円寺2で上演予定。「こないだキングオブコントで決勝戦に出た、かもめんたるもいますよ。それぞれの持ち味が組み合わさって、楽しいものになりそうです。ただ、俺の単独ライブより売れ行きがいいのが…」

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト