民間の大卒平均額は2335万円だそうですが…

「退職金」の厳しい現実

2012.10.04 THU


少額だとしても、退職金は勤続年数に応じて税制上の優遇措置を受けられるので魅力的。ほぼ、額面どおりで受け取れることも少なくないとか
イラスト/まみやけい
野田内閣は今夏、国家公務員の退職金を現状より約15%引き下げることを閣議決定した。来年1月以降、平均支給額は2707万1000円から402万6000円減り、2304万5000円になる見通しだという。

退職金の官民格差を是正するための措置だが、改めて驚いたのは「民間の平均的な退職金」とされた2304万5000円という金額。果たして今の20~30代も、定年まで勤めたら同等の退職金をもらえるのだろうか? 企業会計に詳しい落合会計事務所代表の落合孝裕氏にうかがった。

「う~ん、社員が1000人を超えるような大企業勤務の方はともかく、中小企業勤務の方は難しいでしょうね。中小のなかには退職金制度自体がない企業も多いですし、制度があっても、数十年働いた人で100万円程度というケースも。日本に企業は200万社ぐらいありますが、退職金が出る企業はせいぜい2~3割だと思います」

定年まで勤めれば退職金は必ずもらえるもの…と思っていた人にはショックな話かもしれない。だが、“出る”企業だけを平均すれば、「平成19年度の勤続35年以上の定年退職者の学歴別退職金(厚労省)」は、大卒者で2335万円、高卒者で2001万円が支給されている。

「そもそも退職金とは、終身雇用が前提の制度。会社によっては勤続4年以上でないともらえない、といった条件があることも。基本的には長く勤める人に有利になるよう設計されているので、転職をした場合、金額は減るケースがほとんどです。ただ、終身雇用が崩壊しつつある今、多くの企業が退職金制度をなくす方向にあるので、制度そのものが減っていくでしょうね」

なんと、シビアな現実!

「誤解している人も多いようですが、退職金を出すことは会社の義務ではありませんからね」

どうやら、我々の老後がラクじゃないことだけは確かなようだ。
(青柳直弥/清談社)


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