親の老後に備えて要チェック

事前加入が必要。介護保険の使い方

2012.10.18 THU


熊本県人吉市にある特養ホーム「龍生園」では、月2回居酒屋をオープンしている。老人ホームは“施設”から“住まい”へと大きく変わりつつあるのだ 『週刊東洋経済』毎週月曜発行 現在発売中の特集は「介護で選ぶ老後の住まい」 定価690円(税込)
画像提供/龍生園
「親の介護なんて、これまで考えたこともない」という人がほとんどかもしれない。

だが、その日は突然やってくる。父親が脳梗塞で倒れてマヒが残った─。こうした入院騒ぎになった時に、のんびりと制度を調べている余裕などない。いざというときに頼りになる「介護保険」のあらましを今から知っておこう。

2000年に施行された介護保険制度は、人生の終幕まで「介護ある暮らし」を支える社会保険だ。被保険者の状態に応じた介護サービスが保険対象となる。利用できるのは介護保険料を支払っている40歳以上の被保険者。72の調査項目に基づき、「介護の手間」に要する度合いによって7つの区分に分類される(※認定されない場合も)。

誤解されがちだが、健康保険証を持って病院に行けば、診察・治療を受けることができる医療保険とは異なり、介護保険では事前の手続が必要だ。まず、利用する人の住民票がある市区町村に介護認定の申し込みをする。訪問調査や認定審査会を経て、要介護認定通知が届くまでには1カ月はかかる。7つの区分のうち、どこに認定されたかを確認したら、ケアプランを作り、事業所を選んで契約し、ようやく利用できる。

ちなみに、介護保険サービスは在宅から施設まで22種類、50サービスもあり、選ぶのもひと苦労。一般に、「在宅は安く施設は高い」と思われがちだが、じつは在宅のほうが負担が大きいことも多い。ケアマネージャーはつくものの、本人の意向や家庭の事情などで必要なサービスを積み上げると、支給限度額を超えることがままあるからだ。

とはいえ、施設に住み替える場合、家族が面会に通えるかといった立地条件のほか、居住環境やサービス内容の確認、食費や居住費といった新たな支出の検討が欠かせない。

あまり考えたくはないが、いつかやってくる現実。近所の施設を探すなど今から準備できることもありそうだ。
(風間直樹/『週刊東洋経済』)


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