「新成人」ナビゲーター

「将来性のある仕事」はなんだ?

2012.12.26 WED

「新成人」ナビゲーター


せっかく働き出したのに、業績悪化で数年後の状況が見えない…なんて事態は避けたいところだ 写真提供/PIXTA

もうすぐ就活のキミも、もう働いているキミも必見!



日本を代表する大手企業の巨額赤字がニュースとなった2012年。優良企業と目されていても、市場の変化であっという間に窮地に陥ってしまう現状を見ると、就職を控える学生としてはどんな仕事を選べばよいか迷うところ。もちろん、すでに就職先が決まっている人や働いている人にとっても、自分の仕事の将来性は気になる問題だろう。

そこで知りたいのが、5年後10年後も成長するような将来性を見込める仕事。市場縮小が確実視される日本において、長期的な成長が期待できる業界はあるのだろうか?

「将来性という意味では、やはりインターネット業界でしょう。これほどインターネットが普及していながら、顕在化している市場規模としてはまだまだ小さいのが現状。スマートフォンなどモバイル端末の普及や通信速度の向上により、今後5年以上は拡大を続ける余地があります。なかでもカテゴリーに特化した口コミサイトなどのメディア系や、オンラインショッピングなどのeコマース系は様々な展開が考えられるため、この分野で事業展開する企業は大いに成長が見込めるでしょう」

お答えいただいたのは、日本のベンチャーキャピタル大手、グロービス・キャピタル・パートナーズの羽鳥裕美子さん。ベンチャーキャピタルとは、業界動向や企業の経営戦略を見極めて、将来性が見込める企業に投資し支援する投資会社。将来性の高い企業を目利きするプロの目から見ても、インターネット市場はまだまだ成長余地が大きいようだ。

「また、今後は各分野で安全面やセキュリティ関連のニーズが高まっていくことが予想されます。インターネットのセキュリティはもちろん、食品についても、検査システムの構築や産地の明示化サービスを行うなど、安全性の向上に関わる仕事は伸びていくと考えられますね」

そのほか、高齢化が進展するため、介護や健康維持に関する市場も成長が見込めるという。ただし、成長が見込めるということは、その分、競争が激化する可能性も。できれば過酷な競争にさらされるのは避けたいのだが…。「あまり成長はしないけど、5年後10年後も安定が見込める堅実な仕事」――そんな都合のいい業界はないのだろうか?

「外国企業が参入しにくい業界、内需でヒューマンタッチが求められる仕事は比較的安定性が高いかもしれません。ただし、これからの時代はどんな仕事も『変化』から逃れることはできません。いかなる分野も、技術革新や新たなビジネスモデルの誕生で業界構造や市場環境が一変する可能性があります。現在の状況から将来の“安定性”に期待をかけるのは、むしろ危険だと思いますよ」

ここ数年、ひと昔前には考えられなかった技術やシステムが次々に生まれている。だからこそ、「どんな業界であれ、変化に対応できる柔軟性やスピーディな意思決定のできる企業が成長していく」とのこと。

安定を狙うより、成長性のある業界の中で変化に強い企業を探す。こういったスタンスのほうが、結果的に“安全”な仕事選びができるかもしれませんね。
(有井太郎)

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