タラバガニ高騰! フカヒレ料理廃止!!

海産物大ピンチ!今後はどうなる?

2013.02.07 THU


店頭では「メロ」と表記されるマジェランアイナメは、脂ののった白身が美味で、かつては手ごろに買えたが、現在では海外でも人気のためすっかり高級魚に。いろいろな理由で魚屋さんから姿を消すことになってしまうようだ
2011年末、タラバガニの輸入価格が前年同月比で2~4割上昇した、というニュースが話題になった。一方、別の報道によれば、香港の名門ホテル「ザ・ペニンシュラ」の運営会社が、高級食材のフカヒレを使った料理を今後出さないと決定したという。こんなニュースを立て続けに聞くと、僕らの大好きな海産物はどんどん食卓から遠ざかっているのでは? と心配になってしまう。そこで、国内最大の水産会社、マルハニチロホールディングスにその背景を聞いてみた。

「タラバガニは、主要な産地であるアラスカとロシアが漁獲枠を減らしたことに加え、不漁だったことが価格高騰の原因。また、アメリカでも需要が高まったことが価格を押し上げました」

漁獲枠減と需要増というダブルパンチにより高騰してしまったわけだ。一方、「ザ・ペニンシュラ」のフカヒレ料理禁止は、絶滅の危機を迎えている一部のサメを保全するためだとか。ではタラバガニのほかに、価格が高騰している海産物はあるのだろうか。

「冷凍タコです。主産地アフリカでの減産に加え、欧州での需要の高まりから、2011年12月の築地での平均取引価格は前年同月比で約4割も上昇。また、中国産のウナギも高騰しています。数年前に中国産ウナギの加工品から抗菌剤が検出され、日本では取引価格がガタ落ち。日本ではあまり売れない状態になり、やむなく中国内でウナギを販売したところ人気の食材となって、需要が高まったのです。また、ウナギは稚魚の『シラスウナギ』を捕獲して養殖するのですが、数年にわたりその稚魚が不漁続き。結果、中国産の『うなぎ調製品』(蒲焼きなど)の輸入価格(※2011年1~11月平均)は、2年前の同期比で3倍近くになりました」

今後も高くて手が出せなくなったり、口にできなくなったりする海産物が増えそうで心配ですが…。

「養殖が盛んに行われているサケやエビは、あまり心配ないでしょう。特にサケは国内水揚げもあることから、それほど価格が高騰せずに推移しています。とはいえ、世界の水産物供給は、現状から大きく伸びることは見込めません。すでに天然漁場は開拓され尽くしていますから。一方で、世界人口は伸び続け、新興国の経済成長が続く限り、貴重なタンパク源として、海産物の需要も伸び続けます。結果、多くの魚種で価格が上昇する可能性も。日本人は、高い海産物を我慢して買うか、ほかのタンパク源への依存度を増やすか、近い将来、選択を迫られるかもしれません」

う~ん、海産物を取り巻く状況がそんなにシビアだったとは。今のうちに、手ごろに食べられる海産物を堪能しとかないと!?
(伊藤 裕/GRINGO&Co.)

※この記事は2012年2月に取材・掲載した記事です

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