もしも液状化現象で傾いたら…

液状化被害時の行動マニュアル

2013.03.20 WED

東日本大震災で各地に被害をもたらした液状化現象。地盤が緩んで家が傾き、避難を余儀なくされている世帯も多い。液状化というと「あれは埋立地での話でしょ」と他人事のように捉えている人も少なくないが、これは何も埋立地に限った現象ではないようだ。各自治体がWEB上で公開している液状化マップを見ると、多くの地域に被害の危険性が潜んでいることが分かる。では、もし自宅が液状化によって傾いてしまったら、どんな対処を行えばいいのか? 市域の4分の3が液状化した浦安市の災害対策本部に話を聞いた。

「液状化による被害でもっとも顕著なものは、上下水道やガスといったライフラインの寸断です。被災後ただちに市や水道局、ガス会社が応急復旧に当たりますが、復旧するのに数日から数週間程度の時間がかかりますので、各家庭で平常時から飲料水や応急トイレなど、可能な範囲で備えをしておく必要があるでしょう。実際にライフラインが不通になった場合は市の指示に従い、下水道の使用制限が解除されるまでは水を流さないなど、秩序ある行動をお願いします。また、液状化により噴出した土砂は近所のご家庭と協力して袋に入れ、家の前にまとめていただければ、後ほど収集に伺います」

当座の対応は分かったが、もっとも気になるのは、破損した家屋の修理について。特に、家が完全に傾いてしまった場合などは、床を解体し基礎を油圧ジャッキで持ち上げるといった大掛かりな工事が必要となる。とても素人の手に負えるものではないが、これについても自治体が相談や専門業者の紹介などに応じてくれる場合がある。

「浦安市では、震災直後に市の災害対策本部に『住宅相談窓口』を設け、市が依頼した建築の専門家が住宅被害などの相談に応じていました。また、下水道工事に関してはホームページなどで市の指定業者を公開していますので、そちらに問い合わせしていただければ安心です」(同)

確かに自治体が紹介してくれる業者なら安心。法外な修理代の請求や手抜き工事を心配する必要はなさそうだ。

ところで、気になるのはこうした修理にかかる費用。被災地において住宅に被害を受けた世帯には「被災者生活再建支援法」に基づく支援金が支給されることになっている。だが、この制度で給付を受けられるのは、家屋被害認定調査によって「全壊」や「大規模半壊」などの判定を受けた場合のみ。浦安市でも先日、液状化被害の大きかった中町・新町地域で被害認定調査が行われたが、大部分は支援が受けられない「一部損壊」と判定されている。多額の修理費はすべて自腹でまかなわなければならないのか?

「現行の『被災者生活再建支援法』は、液状化の被害について想定されていません。そのため、浦安市では同じように被害を受けた千葉県内の市と共同して、液状化で被災した家屋も支援が受けられるよう国や県に要望しました。これを受け、国や県も支援を行うと発表していますので、その動向を踏まえ何らかの支援制度を設ける考えです」(同)

いずれにせよ、そうした支援を受けるには「罹災証明書」が必要となる。発行を受けるための手順やスケジュールは各自治体により異なるため、被災したらできるだけ早めに問い合わせを行うのが望ましい。

家が傾いてもパニックにならず、まずは自治体に相談してみよう。
(榎並紀行)

※この記事は2011年05月に取材・掲載した記事です

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