10年後を考える将活(3)

伸びぬ給与。家計見直しはまず保険

2013.04.15 MON

10年後を考える将活


保険は住宅の次に高い買い物



2013年春闘は「アベノミクス」の風に乗り、給与の引き上げを表明する企業が相次いだ。しかし、それはまだまだ一部の大企業に限った話。特に中小企業の台所事情はいまだ厳しく、多くは賃上げなどとても見込めないのが実態のようだ。

6000社以上の賃金・人事コンサルタントを請け負う賃金管理研究所の副所長・大槻幸雄さんによれば、「賃上げ企業が相次いだといってもボーナスで社員に還元する企業が多く、基本給が大幅にアップしたという話はほとんど聞きません。景気が上向きになってきたとはいえ、それが企業の収益につながり、社員の基本給に反映されるのはまだ先の話。仮に大手企業の業績が回復しても、その波及効果が中小企業にまで広がっていくのはさらに半年以上先になるでしょう」とのこと。

そもそも、近年はサラリーマンの給料が上がりにくくなっている。民間主要企業の平成24年の賃上げ率は1.78%(厚生労働省「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」より)。ここ10年間は2%を一度も超えていない。また、平均年収も15年前に比べて50万円減っている(国税庁「民間給与実態統計調査」より)。

そのうえ、この4月からは若手社員にとって追い打ちをかける政策もスタートした。

「4月1日に高年齢者雇用安定法が施行され、『65歳まで全員雇用』が義務化されました。企業は60代社員の再雇用や定年延長によるコスト増に対応しなければならず、これまでのように全員一律に給与が上げていくのは難しい状況になります。ますます成果主義が進み、成績がふるわない人にとってはより厳しい状況になるかもしれません」(同)

どうやら10年後、我々が今の上司たちと同じ立場になった時、同じ水準の給料を得られる望みは薄いようだ。非常に暗い話だが、これも現実。これからは上がらない給料を見越し、できる限り出費を減らすことを念頭にライフプランを立てる必要がある。

日々の暮らしのなかで見直すべきは無駄遣いだが、なにより見逃せないのは固定費の見直し。なかでも注目すべきは保険プランだ。「保険クリニック」の本多真美さんによれば「現在、加入されている保険の種類や内容によって異なりますが、更新型の特約が付いている保険の場合では、払込保険料総額が数百万円も下がることもあります」とのこと。“住宅の次に高い買い物”といわれる生命保険だけに、少し見直すだけで生涯の支払金額がケタ違いに安くなることもあるようだ。

「どちらにせよ、生命保険については定期的に見直す必要があります。自分にとって本当に必要な保障内容になっているか? 保障額に過不足はないか? 保険料の安さだけにとらわれるのではなく、ライフイベント(就職・結婚・子供・住宅購入・定年など)に合わせて見直しを行うことが重要です。その結果、場合によっては保険料の節約につながる可能性も十分にあると思います」(本多さん)

給料が上がらないからといって、心まで貧しくなるのは避けたいところ。保険に限らず、若いうちから自分にあったもの、コストパフォーマンスが高いものをしっかり選ぶ力を養っておけば、たとえ身入りが少なくても豊かに暮らすことはできるはずだ。

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