去年の引き上げ額と大差ないじゃん!

春闘「賃上げムード」は幻想?

2013.04.18 THU


アベノミクスへの期待感から日経平均株価の大幅上昇が続く今春。だが、その期待が現実となり「給料」へ反映されるにはまだ時間がかかるか 画像提供/Natsuki Sakai/アフロ
安倍政権による異例の賃上げ要請が行われた今春。コンビニ大手がいち早く呼応し、自動車業界も春闘で一時金の満額回答が相次いだ。サラリーマンの懐にもようやく明るい兆しが…との期待が高まるが、残念ながらこうした動きは一部にとどまるようだ。

連合が公表した2013年春闘の途中経過(3月29日までの回答集計)によると、昨年と比較可能な1456組合の賃上げ額は、昨年比51円増の平均5291円。組合員数300人未満の組合に限れば、賃上げ額は昨年比10円増の4149円にとどまっている。賃上げムードが広がっているかのような話を聞くこともあるが、全体としては昨年の春闘と大差ない。

ボーナスなど年間一時金も同様で、今年が特に賃上げムードとは言い難い。第3回集計では、月数集計で昨年同期比0.19月、金額集計で約7.2万円UPしているが、この程度の増額なら過去にもなかったわけではない。

連合の古賀伸明会長も「一定の評価はできる」としながらも、「実体経済がまだよくなっていない現状では、今も交渉中の中小企業では厳しい結果になるのでは」とコメントした。本当の意味で賃上げムードが浸透するかどうかは、この後出そろう中小企業の結果を待つべきといえそうだ。

「高度経済成長を終え、一律の賃上げは容易でない時代。とはいえ、大企業と中小企業の賃金格差は年々拡大しており、こうした格差の是正が経済を押し上げるカギだと考えています。35%を超える非正規労働者の賃上げも同様です」(連合総合労働局長・須田孝さん)

連合によると、平均年間賃金は1997年の469.5万円から2011年には438.5万円まで下落。これでは消費意欲は高まりにくい。「デフレ脱却にはまず賃上げを」という主張にうなずいた人たちは多いだろう。正規・非正規の格差是正も含め、待遇改善の春風が待ち遠しい。
(有井太郎)


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