Jリーグ20年目の大改革

3部制移行「J3」設立の狙いとは

2013.04.19 FRI


子どもたちが「プロのサッカー選手になりたい!」と思える環境を作るのもJリーグの役割。J3の発足により、「プロになりたい」子どもは増えるだろうか
1993年5月15日、ヴェルディ川崎vs.横浜マリノスによる絢爛豪華な開幕戦から早20年。間もなく満20歳を迎えるJリーグに新たな動きが見られている。

2月末に行われたJリーグ理事会で、現状のJ1とJ2に加え、新たに「J3」を設置することが承認された。これによってJリーグは、1年後の2014シーズンから3部リーグ制へ移行する。Jリーグのトップである大東和美チェアマンは、「Jリーグのブランド力を落とすことなく底辺を拡大したい」と、20周年を迎えるJリーグのさらなる発展を目的とする考えを明らかにしている。

では、J3創設の狙いとは何なのだろうか?

発足当初からJリーグが掲げる「100年構想」は、シンプルにいうと「サッカーを日本全国に広がる“文化”にする」ことが目的。そのためにはJリーグ入り、つまりプロ化を目指すクラブを全国に増やすことが目標とされ、「全国で100以上のJリーグを目指しうるクラブが活動すること」を将来的なビジョンに掲げている。

しかし現状ではJ1の18クラブとJ2の22クラブ、さらにJリーグ入りを目指す6つの“準加盟クラブ”の計46クラブにとどまっており、Jリーグ入りの基準を下げて底辺を拡大しようというのが今回の狙いだ。

ところがこうした動きにはネガティブな意見もある。

真っ先に挙がったのは、底辺の拡大によるJリーグ全体のレベル低下を懸念する声だ。プロクラブが増えるということは、これまでよりもJリーガーに“なりやすい”環境が生まれるということ。つまり「量」を優先した結果「質」が低下してしまうという意見である。

また、近年はギリギリの経営状態で運営しているクラブも少なくなく、Jリーグ入りの経営基準を下げた結果、破綻しやすい状況が生まれることも懸念される。特に地方には大口スポンサーとなり得る企業が少なく、資金力が乏しければ選手たちに十分な報酬を払うことも難しい。そうなればプロスポーツ選手たるJリーガーへの夢や希望は薄れる。

こうした賛否両論の意見をふまえ、Jリーグは「最速で2014年からのJ3発足」を発表した。

現在、このJ3加盟に前向きな姿勢を見せていると報じられているのは、ブラウブリッツ秋田(秋田)、FC町田ゼルビア(東京)、SC相模原(神奈川)、ツエーゲン金沢(石川)、AC長野パルセイロ(長野)、カマタマーレ讃岐(香川)の準加盟6クラブをはじめとする計16クラブ。これによって、宮崎県以外の46都道府県にJリーグ入りを目指すクラブが設立されることになる。

このプロジェクトでJリーグの「100年構想」が加速することとなるか、今後の展開に注目だ。
(細江克弥)

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