10年後を考える将活(5)

失業時のマイホーム防衛術とは?

2013.05.07 TUE

10年後を考える将活


フラット35が追い風になってか、低所得者の持ち家率も高まっている

「住宅ローン破たん」が激増中



いま、住宅ローンを返せずにマイホームを手放す人が増えているという。世帯収入が減少するなか、家計にとって一番の負担である住宅ローンに苦しむ家庭は多い。金融庁によれば、今や「破たん寸前」の個人住宅ローン件数は約23万件にも上るという。

追い打ちをかけるように、2013年3月末には「中小企業金融円滑化法」が終了。同法は金融機関に対し、住宅ローンの借り手から「収入源で返済が苦しくなり金利を引き下げてほしい」といった返済負担軽減の申し出があった際、できる限り貸し付け条件の変更に応じるよう求める時限立法だったが、終了にともない返済に苦しむ人の救護措置はなくなってしまった。

では、住宅ローンが返せなくなった時、マイホームはどうなるのか? 一般的にはローンの滞納期間が3カ月を過ぎると、住宅は競売にかけられる。落札金額から競売費用、利息、損害金が差し引かれ、残った分がローンの返済元金にあてられるのだが、売却金額によっては元金が残ってしまうことも。つまり、家を失い、さらに借金が残ることになるのだ。

 「住宅ローンを利用する際は倒産やリストラ、病気といったリスクに対応できる、ゆとりをもったプランを組むのがセオリーです。早く元金を減らしたいからといって、無理な繰り上げ返済をして貯蓄を減らしすぎるのも危険。もし予定外の事態でローンの返済が厳しくなったら、月々の返済額を抑える借り換え、返済期間の延長などを金融機関に相談しましょう。住宅金融支援機構やフラット35の融資には生活状況の変化などに対応したメニューが複数用意されています。返済期間の延長などを行うと、トータルの返済額が増える可能性もありますが、緊急時にはまずは家計を安定させることが大事です」(不動産購入のアドバイスや住宅ローンのコンサルティングなどを手掛けるアネシスプランニング代表取締役の寺岡孝さん)

また、ローン借入の際に、保険であらかじめリスクに備えておくことも大事なポイントだ。

「住宅ローンを借りる時に入る保険の特約として、『失業信用費用保険』が付加できる金融機関もあります。勤務先の倒産、廃業、会社事由による解雇、一時的な希望退職の募集、退職勧奨等による失業などに対して最大6カ月分のローン返済を給付してもらうものです」(保険クリニックの本多真美さん)

ただ、上記は支払い事由が「会社都合の失業」に限定されるため、賃金カットによる収入減などには対応してくれない。そこで、終身保険、長期定期保険、養老保険、積立型傷害保険などを利用すると万全だと本多氏。

「保険料の払込期間を5~15年にして、万一の場合にその解約返戻金や満期金を住宅ローン返済や生活費に使用するといった手も同時に考えておくといいと思います。ただし、保険料の払込が終了してから解約しないと、支払った金額より解約返戻金が少なくなりますので注意が必要です」(本多さん)

ほかには、6カ月くらいは生活できるだけの金額を貯めておくといった対策も重要。仕事を失い、家まで失うなんてことにならないよう、常に最悪を想定した防衛策を講じておきたい。

取材協力・関連リンク

関連キーワード

ブレイクフォト