知ってるようで知らない「天候の不思議」/第11回

気温だけじゃない“暑さ”の要因

2013.07.10 WED


気象庁が6月25日に発表した7~9月までの3カ月予報によれば、今年の夏は暑く、残暑の厳しくなる日もありそう。今年も厳しい夏がやってまいりました 画像提供:YNS/PIXTA
湿度が上がり、汗が体にまとわりついて不快なこの季節。海外には気温が高くてもカラッとした夏を迎える国もあるのに、日本の夏はどうしてこうも湿度が高いのでしょうか? 気象庁の大久保忠之さん、教えてください!

「日本の夏が高温多湿なのは“太平洋高気圧”が関係しています。この高気圧は太平洋上で生まれるため水蒸気を多く含んでおり、夏になると北上して日本を覆います。そして、太平洋の高温多湿の空気を南よりの風が日本に運ぶので湿度が高くなるのです」

では、オーストラリアやハワイなど日本よりも気温が高い場所に行った人が「日本より暑く感じない」と言うのはなぜなのでしょう。気温が高いのに暑く感じにくいなんて不思議です。

「これも実は湿度が関係しているんですよ。人間は気温が高くなると汗を出し、気化熱によって体温を下げようとします。しかし、日本のように湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、体温が下がらず暑く感じるんです。逆に、オーストラリアなど湿度が低い地域は、汗がすぐに蒸発するので気温のわりに暑さを感じません」

湿度の違いによって暑さを感じる度合いも変わるんですね。

一方、ハワイの場合はオーストラリアとは少し条件が異なるという。

「実はハワイの湿度は日本と同じくらい高いんです。しかし、夏の時期に吹く風は日本と違い北東から吹く風。そのため、さほど湿度を感じないんですよ」

気温や湿度だけじゃなく、風も“暑さの感覚”を左右する大切な要素なんですね。ちなみに人の体は風速が毎秒1メートル増すごとに1℃低く感じるそうです。

大久保さんによれば、汗が蒸発しにくくなると体温の調整が難しくなるため、気温があまり高くなくても熱中症になるリスクが高まるそう。いよいよ盛夏を迎えますが、意識して風に当たったり、水分・塩分の補給を心がけたりして、事故のないように過ごしたいものですね。
(村上 広大)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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