偽ガイドや偽警官になりすます!?

偽装して旅行者を襲う海外窃盗団の手口とは?

2013.07.11 THU


地図を用いたグループによるスリの犯行手口。道に迷ったフリを装い地図を広げることで、旅行者の目線をそらして犯行を行うケースも
そろそろ夏休み。旅の準備を進める際に忘れてはいけないのが、万が一に備えての防犯対策。国内旅行と違って、海外旅行ではスリやひったくり、置き引きなどの被害に遭う危険性が高く、トラベルジャーナルの調査によると、2012年度の現金盗難・紛失被害総額は、なんと推計152億円にものぼるのだとか! ちなみにこの被害額は昨年の振り込め詐欺被害額(約155億円※1)に匹敵するというから、被害の大きさがうかがえる。

〜海外でプロに狙われたら逃げ道なし!?〜

「どうしても観光客は目立ちやすく、特に日本人や中国人は“現金を持ち歩く”イメージがあります。海外では気分が盛り上がって、つい脇が甘くなりがち。日本人はふだん治安の良い国で暮らしているため、海外で遭遇するトラブルを想像しにくい面があります。常に防犯意識を忘れずに行動することを心がけて下さい」

こう語ってくれたのは、外務省領事局邦人海外安全課の新保剛さん。では具体的にどんな“危険”が待ち受けているのだろうか。

「もっとも多いのがスリやひったくり、置き引きなどの窃盗です。犯罪の手口は様々で、たとえば服にソフトクリームやケチャップなどを付けられて注意を奪われている隙に、別の仲間が財布を抜き取る…などは古典的な手口です。また、グループで行動していても、ホテルのロビーでチェックインやチェックアウトの際、ほんの一瞬、荷物から目を離した隙に置き引きに遭うケースも少なくありません。荷物から目を離さず、常に手に持つこと。上着やズボンのポケットなど、盗まれやすい場所に貴重品を入れるのは危険です。」

さらに、最近では犯行の手口はますます巧妙・複雑になっている模様。例えば、スーツケースの名札から名前を読み取り、ウェルカムボードを作成し、本物のガイドになりすまして偽物販売店に連れていかれたあげく、多額のガイド料を脅し取る“偽ガイド”や、警官に化けた犯罪者が、偽札の疑いがあるとして紙幣を没収したりする“偽警官”など、TVドラマや映画顔負けの手口が横行しているのだとか。ほかにも、上記のトラベルジャーナルの調査によると、麻薬捜査官を装ってボディチェックをする際に財布から紙幣を抜き取られたり、親子連れが親しげに話しかけてきて、日本の紙幣が見たいと言われスリ被害に遭うケースが報告されている。お金以外でも、換金しやすいスマホやノートPC、デジカメなどのIT機器、パスポートも狙われやすいという。

とはいえ、日本人旅行者が一度犯罪グループに狙われてしまうと、残念ながら回避するのは難しいそうで、何度も現地入りしているTV局のクルーでさえ、被害に遭ってしまうことも。では、どのような対策をとればいいのだろう?

「犯罪に遭うリスクを減らすために大切なのは、まず『ターゲットされないこと』です。現地の人とのふれあいは旅の醍醐味ですが、初対面なのに妙になれなれしい人や、空いている電車内で近づいて来る人には注意が必要です。夜間や、人通りの少ない道の一人歩きも避けましょう。」

加えてポイントなのが、『いかに被害を抑えるか』だとか。

「海外旅行で多額の現金を持っていくのは避け、極力クレジットカードなどの利用をオススメします。現金は盗まれれば、ほぼ100%返ってきませんが、カードは盗まれても、カード会社に直ちに連絡すれば停止できますし、不正使用されても、その分は補償の対象になります(*2)。また、犯罪者の心理としても、カードを不正使用するのは足がつく恐れがあるので現金よりも使い勝手が悪い、と思われています。現金はチップやタクシー代など必要最小限に抑えるのが懸命です。また、貴重品は複数箇所に分散させて持ち歩くのを心がけ、ホテルのセーフティーボックスを活用するのも忘れずに。また、海外旅行保険をかけておくことをオススメします」

せっかくの海外旅行も現金の盗難や紛失なんかに遭ったら台無し。「ここは日本ではない」と常に意識し、防犯には細心の注意を払いたいものだ。

※1 警察庁 平成25年1月発表「特殊詐欺の認知・検挙状況等について」に基づく
※2カードの条件による

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