男を上げるこだわりアイテム

無骨さが人気。激重ジーンズの魅力

2013.08.08 THU


生地が厚すぎるため、通常の洗濯機で洗うと洗濯機が壊れてしまうおそれがあるとか。また、フロントボタンの開閉も困難で、指をケガしてしまうことも。それでもなお、欲しがる人があとを絶たない
昨今は薄手のデニム素材を使ったやわらかなはき心地のジーンズが人気を集めているが、そんなトレンドに背を向け、ジーンズ本来の無骨な力強さを追求したのが「SP803-28」(3万4650円~)だ。手にとるとズッシリ重い。なんと1着2kgもあるという。生地も分厚く、素手では曲げられないほど固い。ハッキリいってはきにくい。こんな厄介なシロモノなのだが、昨年10月の発売以来、ジーンズ愛好家から絶大な支持を集め、長く品切れの状態が続いている。

「最近はストレッチのきいたはきやすいジーンズが増えていますが、本来ジーンズは『男らしさ』や『丈夫さ』が最大の魅力であったはず。そこではきやすさを一切度外視して、とにかく“強いジーンズ”を作ることにしたんです」とは「SP803-28」の生産・販売を行うジーパンセンターサカイの酒井隆之さん。

老舗のジーンズブランド「エイトG」を看板に、丈夫でかっこいい昔ながらの“男デニム”を作り続けてきた歴史をもつ同社。「SP803-28」は、パイオニアとしてのプライドが詰まった渾身の1本なのだ。

「たくさんの問い合わせをいただいていますが、予約は現在3~4カ月待ちの状態。生地が厚すぎて機械がすぐ止まるため、1本作るのに3日以上かかってしまうんです。生産性は最悪ですね。採算はまったくとれていませんが、気合で作り続けていきたいと思います」(同)

作り手だけではない、履き手にも気合が必要だ。あまりの固さに留め金ひとつ留めるのも苦労する。はくのに数分かかるため、忙しい朝にはイライラすること必至だ。だが、そんな苦労を重ねて半年もはき込めば、メリハリのある色落ちとくっきりしたシワが刻まれ、個性的な表情へと変化。その時ようやく“自分のもの”になるのだという。

単なる洋服ではなく、男を上げるこだわりのアイテム。こんなジーンズが1本あれば、一張羅として重宝しそうだ。
(榎並紀行)

※この記事は2011年08月に取材・掲載した記事です

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