身体にまつわる都市伝説 第163回

汗をかけば風邪は治るって本当?

2013.08.26 MON

身体にまつわる都市伝説


厄介な夏風邪。でも、汗を出せば早く治るというのは迷信だ。十分に体を安め、栄養と水分を適切に補給することが、いちばんの良薬なのだ
もはや酷暑であることが当たり前となりつつある日本の夏。せめて休日くらいどこか涼しいところで過ごしたい…と思いきや、夏風邪が流行っていたりするから始末におえない。この気温のなか、布団のなかでじっとしているなんて、あまりにも耐え難いことだ。

でも、昔から風邪は汗をかくと治るともいうし、だったらこの暑さはむしろ追い風…? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に真相を確かめてみた。

「これは確かによくいわれることですが、残念ながら医学的な根拠は一切ありません。風邪を治すには、十分な安静・睡眠・栄養・水分を確保することが一番ですよ」

…と、一刀両断されてしまったこの都市伝説。須田先生いわく、主にウイルスが原因で発症する風邪症候群は、人体が持つ免疫機能を高めてやっつけるほか、抜本的な手立てはないという。

でも、風邪で寝込んでひと汗かいたらなんだかスッキリした、という実体験を持つ人は少なくないはず…?

「汗を出すことで気化熱に体温が奪われますから、一時的に熱が下がったように錯覚することはあるでしょう。しかし、ウイルスを駆逐するという意味では、熱はむしろ、ある程度必要です。体温が高まることで、ウイルスにとって活動しにくい環境を作ることにつながりますから。ただし、発汗した体をそのままにしておくと過剰に冷やされてしまいますから、小まめに汗を拭いたり、衣服を着替えたりすることもお忘れなく」

須田先生も指摘するとおり、風邪には本当の意味での特効薬はない。風邪をひいたら、弱った体をケアして、いかに免疫力で対抗するかを考えるのがベストだと須田先生は補足する。もちろん、無理やり汗をかこうと、あえて運動してみるなんてことは論外だ。

夏風邪が治りにくいといわれるのも、過酷な暑さで体力を奪われがちなことと無関係ではないだろう。どうか日頃から体調管理を怠りなく。
(友清 哲)

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