過去実績から振り返るJAL再上場の行方

再上場の企業株は、値上がりする?

2013.09.21 SAT


破たんしたJALに招かれた稲盛和夫名誉会長。部門別採算制や意識改革をはじめとする様々な改革を断行し、業績を急回復させた 画像提供/Bloomberg via Getty Images
経営再建中の日本航空は19日、東京証券取引所へ再上場する。史上最大規模といわれた経営破たんから約3年、業績の急回復を追い風に異例のスピード再上場となった。果たしてJAL株は買いか否か、投資家ならずとも気になるところだが、参考までに過去に再上場した企業の株価がその後どのような推移をたどったかを見てみよう。

まず、2003年12月19日に再上場(東証二部)を果たしたトーカロ株式会社。再上場時は1067円だった株価が翌年には最大2195円まで上昇、その翌年にはさらに倍の4630円に高騰している。一方、2006年11月14日に再上場(東証一部)したあおぞら銀行の場合、再上場時517円の株価が約1年後の11月19日には314円に。こちらは値を下げている。また、最近の事例では日本ドライケミカルが2011年6月29日に再上場(東証二部)した際に2096円だった株価が、約半年後の3月14日には3070円の高値を付けた。その他の事例も見てみたが、上昇と下落の割合は五分五分。過去の実績をひもといても再上場株ならではの傾向は特に見えてこない。

米モルガン銀行時代に同行会長から『伝説のディーラー』の称号を贈られた藤巻健史さんによれば「その時々の日本株全体の状況や時勢にもよりますし、再上場株だから上がる、下がる、ということはないと思います」とのこと。確かに、トーカロ株が急騰した2004年は輸出関連を中心に多くの企業が過去最高売上高・利益を記録しているし、日本ドライケミカル株が高値を付けた3月14日の約1年前には東日本大震災が発生、防災用品などを取り扱う同社の株価が上がったのは防災需要の高まりによるところが大きいともとれる。再上場の事実そのものは株価の動向を測る指標にはならないようだ。

「再上場うんぬんより、再建の中身に目を向けるべきです。例えばアメリカでは、経営再建にあたりトップが代わると仕事のやり方や組織体系がガラっと変わる。良くも悪くもトップダウンなので、社長によってまったく別の会社になります。だからこそ大きく変革する可能性があり、投資家の期待も高いわけです。日本の場合は逆で、前任者のやり方を踏襲する傾向がある。それでも新しいトップが影響力を発揮し、過去にこびりついたアカをきちんと落とすことができている企業なら投資する価値はあると思います」(藤巻さん)

ちなみにJALでは、再建を託された京セラ設立者の稲盛和夫名誉会長が大改革を断行。企業体質の改善が図られたといわれているが、果たして投資家はどんな評価を下すのだろうか。
(榎並紀行)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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