日本にも定着したのに…

「国産アボカド」激レアの理由とは

2013.09.02 MON


ひと口にアボカドといっても、400以上もの品種があるそう。橋爪農場の主力は「ベーコン種」で、日本でよく見られるメキシコ産の「ハス種」に比べて柔らかく、より日本人の口に合うのだとか。国産アボカド、食べてみたい!
醤油をつけて食べるとトロの味がする! なんて、アボカドが“珍品”扱いされていたのも今は昔。レストランから居酒屋まで、あらゆる場所でアボカド料理を見かけるようになりました。ヘルシーな食材として人気を博しているけれど、スーパーで見かけるのはなぜか外国産ばかり。なぜ国産品を見かけないのだろう?

そんな疑問を解決すべく、アボカドをはじめ熱帯植物の生態に詳しい農学博士の米本仁巳さんにお話を聞きました。そもそも、アボカドって日本でも作られているんですか?

「国内では和歌山、愛媛、静岡などで生産されてはいますが、農林水産省の統計資料にも載らないほど少量。アボカドの年間輸入量は約2万トンですが、それに対して国内の年間生産量は、わずか数トンという単位だと思われます」

なるほど。熱帯の植物だけに、やっぱり日本での生産は難しいのでしょうか?

「そうですね。実をつけるまで5~6年はかかり、冬の寒波で枯れてしまうこともあれば、実をつけても台風で落ちてしまうこともあります。もともと収穫量が不安定な作物で、生産者のリスクは小さくない。私は80年代にカリフォルニアからアボカドの種を持ち帰り、和歌山の農場に200粒ほど配りましたが、今も栽培を続けているのは2~3軒です」

アボカドの木が立派に育つかどうかは「植えてみないと分からない」そうだが、他方で米本さんのもとには、東京都から「庭先にアボカドの種を捨てたら育ってしまった」という報告も届くのだとか。日本有数のアボカド農園「橋爪農園」を経営する橋爪道夫さんも、「一度育ってしまえば、栽培は決して難しくありません」といいます。

「アボカドの木は15~16mまで育ちますので、収穫が少し大変なくらいですね。アボカド農家が増えない理由は、日本での歴史が浅く、国の厳しい安全審査をクリアしたアボカド用の『登録農薬』がまだないことも大きいと思います。裏を返せば、自然と無農薬栽培が主流になりますから、国産のアボカドは総じて安心・安全で、とても美味しいんですよ」(橋爪さん)

米本さんによれば、国内での需要の高まりに合わせて、沖縄で栽培しようという動きが出てきているのだそう。今は希少な国産アボカドが、食卓に並ぶ日はそう遠くないかも?
(安藤大智/blueprint)

※この記事は2010年10月に取材・掲載した記事です

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト