冬は寒いほどいい?

暖冬に影響を受ける意外な業界は?

2013.11.07 THU


気象庁の発表によれば、今年の冬はエルニーニョ現象の影響で東日本から九州にかけて暖冬傾向になるのだとか。暖冬だと「冬物衣料の売り上げが落ちる」とか「暖房器具が売れなくなる」という話をよく耳にしますが、逆にメリットを享受する業界だってあるような気がします。暖冬は日本経済にとってメリットとデメリットのどちらの方が大きいのでしょうか?

「基本的には、夏は暑いほど、冬は寒いほど経済にはプラスの影響が見られます。それは冷え込みがきつければ、防寒のために暖房器具や冬物衣料の需要が高まりますし、冬のレジャーも活気づくから。実際に2005年の大寒波の冬はこれにより消費が増えて、GDPが押し上げられ、暖冬だった2007年は不景気だったというデータがあります。ですから、“冬だけど暖かい”というのは、生活する分には過ごしやすいのですが、日本経済を考えるとマイナス影響の方が大きいのです」

と、教えてくれたのは第一生命経済研究所・経済調査部の永濱利廣さん。いくら暖冬で過ごしやすくても、日本経済が冷え込み、景気が後退するとなると、素直には喜べないもの。でもその一方で、暖冬を歓迎する業界や施設もあるのでは?

「2007年の暖冬時のデータから考えると、ゴルフ関連施設やテーマパークなどは業績がよかったようですね。一般論として厳冬だと外出回数は減り、1回あたりの消費額が増え、暖冬だと外出回数は増えるが1回の消費規模が減るといわれています。ですから、日用品が多数置かれているコンビニや商店街などは、経済規模は小さいながらも活性化されるという傾向もあります。また高齢者は厳寒時の外出回数が圧倒的に少なくなるため、高齢者比率の高い街の経済は、暖冬だと消費活動が通常より上向くとされています」

焦点を絞って見渡してみれば、暖冬でもすべての業種がダメージを受けるとは限らないんですね。しかし、あちらを立たせばこちらが立たず。日本全体の懐が温かくなるのが一番なのですが…。
(冨手公嘉/verb)

※この記事は2012年11月に取材・掲載した記事です

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